早大がV王手!有原“冷や汗締め”3回1失点で今季初勝利

[ 2014年11月3日 05:30 ]

<慶大・早大>7回から登板し、今季初勝利を挙げた早大・有原(中央)

東京六大学野球最終週第1日

(11月2日 神宮)
 早慶戦1回戦が行われ、早大が慶大を4―3で下し、12年春以来、5季ぶりの優勝に王手をかけた。日本ハムからドラフト1位指名を受けた有原航平投手(4年)は7回から登板し、3回1安打1失点で今季初勝利を挙げた。慶大は決定打を欠き、91年以来23年ぶりのリーグ連覇を逃した。3日の2回戦で早大が勝てば優勝、負ければ明大の2季ぶりの優勝が決まる。
【試合結果 勝敗表 有原航平】

 本来の球威はない。9回、有原は先頭打者にソロ本塁打を浴びて1点差に迫られ、なお連続四球で無死一、二塁のピンチ。負ければ、その瞬間に優勝の可能性が消滅する。エースとして負けるわけにはいかなかった。

 1番・佐藤旭を左飛に打ち取ると、山本泰に対しては「バックを信じてゴロを打たせる」とスライダーを低めに投じ、狙い通りの三ゴロ併殺。「ゲッツーを取れてホッとした。勝てて良かった」。グラブを力強く叩き、満面の笑みを浮かべた。

 4球団が競合したドラフト後、初の登板は1点リードの7回からのリリーフ。最速156キロを誇る右腕だが、今秋は右肘痛で出遅れ、この日も148キロ止まりだった。「スピードも全然出ていなかったから、粘り強く、低めに投げようと思った」。スライダー、カーブ、チェンジアップを丁寧に投じ、3回を1安打で3奪三振。8回無死一塁も併殺で切り抜けた。

 直球は本調子にはほど遠いが、有原には多彩な変化球と高い制球力がある。スタンドで見守った日本ハム・大渕隆アマスカウトディレクターは「ダルビッシュみたいに剛球を使えなくてもコースを突く投球を確立できたのでは」とかつてのエースと重ね合わせた。

 優勝が懸かった最後の早慶戦。「当然投げたい気持ちはあった。でも状況を考えたら一番結果を出している大竹の方がいい」とチームトップの4勝を挙げている1年生に先発を譲った。今春は慶大1回戦で7回に逆転2ランを浴び、チームは連敗で優勝を逃しただけに、そのリベンジを果たす今季初勝利でリーグ戦通算19勝目を手にした。

 3日に勝てば、5季ぶり優勝が決まる。岡村猛監督は「胴上げ投手」として起用する考えで、有原も「与えられたところで頑張りたい」と力強く言った。最後のリーグ戦は、最高の形で締めくくる。 

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