4点差でも呉昇桓 12戦連続登板も3人締め「体の状態は良かった」

[ 2014年10月26日 05:30 ]

<神・ソ>9回を3人できっちり抑えた呉昇桓

日本シリーズ第1戦 阪神6-2ソフトバンク

(10月25日 甲子園)
 リードは4点。セーブはつかない。しかし、阪神はこの男が最後を締めることに意味があった。セ・リーグのセーブ王・呉昇桓(オ・スンファン)だ。中村、今宮を打ち取ると、最後は代打・長谷川に対し、外角低めの148キロ直球で見逃し三振。CSでMVPを獲得した守護神が日本シリーズでも仁王立ちした。

 「打線が序盤で大量点を取ってくれたので、投手としては楽な展開だった。ゆっくり休養が取れて体の状態は良かった」。CSでは接戦での登板が多かっただけに、余裕の3人斬りだ。

 これでポストシーズンは全7試合に登板。レギュラーシーズン終盤から12試合連続登板となった。CS終盤は「石直球」の球威が落ちているようにも見えたが、中6日と間隔が空いたことで球威も復活。この日は最速153キロをマークした。

 セーブがつかない場面で呉昇桓を起用した理由について、和田監督は「同じ勝ったとしても、しっかり(ソフトバンクの)流れを止めて勝ちたかった。点差は関係ない。託しました」と説明した。最後も「形」にこだわった。

 日本シリーズ初登板だが、大舞台はチームの誰よりも慣れている。韓国ではルーキーイヤーの05年からサムスンの守護神として韓国シリーズに出場。3セーブを挙げて優勝に貢献し、MVPにも輝いた。韓国では9年間で5度の王者に輝き、ポストシーズン13セーブという韓国記録も持つ。「何年も続けて11月まで野球をやっているから早く終わらせたいね」との言葉が実に頼もしい。

 日韓での頂点まであと3勝。勝利のマウンドには、呉昇桓が立っているに違いない。

 ▼阪神・福原(メッセンジャーの後を受け8回を3者凡退)一人一人抑える気持ちだった。しっかり投げられてよかった。

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