神様、仏様、バース様から29年…ゴメス様で虎先勝!V打3打点

[ 2014年10月26日 05:30 ]

<神・ソ>ソフトバンクに勝利しナインとハイタッチするゴメス(中央)

日本シリーズ第1戦 阪神6-2ソフトバンク

(10月25日 甲子園)
 進撃の阪神だ。日本シリーズが開幕し、セ・リーグ2位からクライマックスシリーズ(CS)を突破した阪神が6―2でパ・リーグ覇者のソフトバンクに先勝。4回にマウロ・ゴメス内野手(30)の適時二塁打で1点を先制。5回2死満塁でも再びゴメスが2点適時打を放った。阪神はCSから1分けを挟んで無傷の6連勝で、ポストシーズン連勝の日本記録にあと1と迫った。また、日本シリーズでの連敗を12年越しで6で止め、29年ぶりの日本一へあと3勝だ。

 「神様、仏様、バース様」と阪神ファンが口にしたのは球団初の日本一となった1985年。あれから29年…。「神様、仏様、ゴメス様」に変わった。4番が先陣を切り、さらに流れをぐっと引き寄せた。

 「力が入り過ぎないようにリラックスしながら、チャンスだったので、球種のことは考えずにファースト・ストライクからいい球が来たら打ってやろうと思っていた。レギュラーシーズンと同じ感覚で自分のスイングができた」

 4回、初めての得点圏の好機となった1死二塁では初球を捉え、左翼へ二塁打を放った。二塁上では手を叩いて喜んだ。そして1―0の5回2死満塁、今度は初球のど真ん中のスライダーを見送った。「初球は変化球でボール球を振らせにくる感じがあった」と配球を読んだ。そして3球目。得意とする外寄りへの同じスライダーを逃さず、左前へ運んだ。前日はフリー打撃終了後にティー打撃を行い「納得いかない部分があった。いいリズムをつくりたいなと思って」と微調整した成果を本番で出した。「自分の仕事は走者を還すこと。しっかりと果たすことができてよかった」と2点適時打を振り返った。前半でスタンリッジから3打点を挙げ、来日1年目で打点王に輝いた打棒を大舞台でも遺憾なく発揮した。これで勢いづいた打線は、直後にマートン、福留に連続適時二塁打が出た。この回、一挙に5点を加えた。

 阪神にとって、今シリーズは新たな歴史を刻むための戦いでもある。来季は球団創設80周年を迎える屈指の人気球団だが、2リーグ制以降は1度しか日本一になっていない。それが吉田義男監督が率いた85年。チームはリードオフマンに真弓、中軸にバース、掛布、岡田を擁す強力打線で頂点に上り詰めた。だが、栄光の時間はそこで止まったままだ。

 敵将のソフトバンク・秋山監督が主軸を打っていた西武との85年の日本シリーズ。第1戦で3番バースが、くしくもソフトバンクの来季監督に内定している工藤公康から3ランを放ち、快勝した。阪神の外国人選手のシリーズ1試合3打点は同戦以来。29年の時を経て、「猛虎史上最強助っ人」の称号を受け継ぐゴメスが好発進に導いた。

 和田監督は「初戦がポイントだと思っていた。非常にいいゲームができた。ゴメスは4番の仕事をしてくれた。あした(26日)取って五分くらいと思っている。連勝で敵地に乗り込むくらいの気持ちで」と意欲的に話した。日本シリーズは今回が6度目。ポストシーズン無敗の虎は、この勢いで2度目の日本一へ重い扉をこじ開ける。

 ≪外国人打者シリーズ初戦V打は85年バース以来≫4番のゴメス(神)がV打となる先制適時二塁打を含む2安打3打点。シリーズ第1戦で4番が3打点以上は07年セギノール(日=3打点)以来5人、7度目。シリーズ初試合では58年に新人の長嶋(巨)が3打点を挙げたのに次ぎ56年ぶり2人目だ。また、外国人打者のシリーズ初戦V打は、前記セギノール以来で阪神では85年バース以来29年ぶり2人目となった。5番のマートンも2安打2打点。同一球団で2人の外国人が複数安打、複数打点は03年対阪神第2戦でダイエーのバルデスが3安打、3打点、ズレータが2安打、3打点をマークしたのに次いで2度目。

 ≪ポストシーズン無傷6連勝≫阪神が初戦に勝利。これで今季ポストシーズンではクライマックスシリーズの広島、巨人戦を合わせ1分けを挟み無傷の6連勝。ポストシーズンの最多連勝は75年阪急がプレーオフ第2戦からマークした7連勝(2分けを挟む)だが、無傷では79年近鉄、07年中日の5連勝を抜く最多記録になった。

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