ヤクルト 済美・安楽一本釣りだ!競合なら真中監督がクジ

[ 2014年10月23日 05:32 ]

済美の安楽

 プロ野球のドラフト会議は、23日午後5時から東京都内のホテルで開かれる。早大のエース有原航平投手(4年)に最大4球団の1位指名が予想される中、ヤクルトが昨年センバツの準優勝右腕で最速157キロの愛媛・済美の安楽智大投手(3年)を指名することが濃厚となった。真中満新監督(43)を迎えたヤクルトは高校No・1右腕を投手陣再建の柱とする。

 投手補強を最優先に掲げるヤクルトは即戦力投手の獲得が急務だった。スカウトの評価では早大・有原、ヤマハ・竹下が高かったが、高校生ながら最速157キロを誇る安楽も即戦力と判断。鳥原公二チーフスカウトは「当日決めます」と23日に最終決定する方針を示しているものの、「安楽1位指名」が濃厚となった。

 安楽は2年生だった昨年センバツで準優勝。今年は昨年に右肘を痛めた影響もあって甲子園の舞台に立てなかったが、「157キロを投げられる投手はそんなにいない」と鳥原スカウトも素質を絶賛する。しかも「夏くらいには(1軍で)使えるのではないか。もっと早いかもしれない」と断言。1年目のシーズン途中には、ローテーション投手の一角を担うことを期待している。

 一本釣りの可能性が高いとはいえ、競合も覚悟の上で指名に踏み切る。クジに敗れるリスクの大きい有原を回避し、安楽を指名する球団が出てくることも予想されるが、鳥原スカウトは「多いから(指名に)いかない、ではなく、いい方で勝負する」と強気な姿勢は崩さない。クジ引きとなれば真中新監督が初の大役を担う。新調したスーツもこの日届き、「ネクタイとパンツの色はその日の気分で決めるよ」と余裕の笑顔を見せた。ドラフト当日は午前中に明治神宮で必勝祈願を行い出陣する予定。自分の名字に引っ掛け、「奇数だったら真ん中を引きます」と宣言した。

 2年連続最下位から、真中新監督の下で巻き返しを図る新生ヤクルト。今季の防御率はリーグワーストの4・62と課題は明確だ。投手力強化へ、まずは若き剛腕で勝負に出る。

 ◆安楽 智大(あんらく・ともひろ) 1996年(平8)11月4日、愛媛県松山市生まれの17歳。小2から野球を始める。道後中では「松山クラブボーイズ」に所属。済美では1年からベンチ入りし、昨春センバツ準優勝。昨年選出された高校日本代表で18Uワールドカップ(台湾)では3試合18イニング無失点で準優勝に貢献。今夏愛媛大会は3回戦敗退。1メートル87、85キロ。右投げ左打ち。

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