今季左腕わずか8勝の広島 かつては“代名詞”、ドラフトどうなる?

[ 2014年10月23日 11:20 ]

99年のドラフトで広島から1位指名された河内(右)。左は同期の苫米地

 2年連続でAクラス入りを果たした広島東洋カープ。ただ、ここから上積みするためにはどうしても左腕の存在が欲しい。エース・前田健太や新人王候補の大瀬良大地など、計算できる右腕は多いのに、左腕の勝ち頭は戸田隆矢で4勝のみ。チーム全体でも左腕で今季8勝しかできていない。相手チームにしてみれば、これほどオーダーの組みやすいチームはないだろう。

 振り返れば、1990年代半ばまでは、川口和久や大野豊の存在感のおかげで「左腕エース」といえばカープの代名詞のようなものだった。それが一体どうして球界随一の左腕不足に陥ったのか?その背景を、カープのドラフト戦略から見ていこう。

◎実は左腕の指名自体は多い

 左腕投手の存在感が薄い広島。ところが、平成に入ってから昨年までの25年間で左腕の指名がなかった年は1990年、1996年、2000年、2002年、2012年、2013年の6回のみ。実は毎年のように左腕投手は指名しているのだ。では、なぜ定着しないかといえば、ズバリ上位で即戦力左腕の指名が少なすぎるからだ。

◎ここ20年間で左腕の1位指名はたったの3人

 広島が最後に優勝した1991年以降のドラフトで、左腕投手を1位指名したのは1999年の河内貴哉(國學院久我山高)、2007年の篠田純平(日本大)、2012年の森雄大(東福岡高)のたった3名のみ。しかも、森は指名が競合して交渉権を獲得できなかったので、1位入団はたった2人なのだ。

 さすがに危機感を憶えたか、2010年に2位で中村恭平、3位で岩見優輝、4位で金丸将也と大学生、社会人選手を3名も指名した。大卒2位という「即戦力」が期待される指名だったが、「素材型」の中村はまだ戦力として完全に計算できるほどの存在にはなっていない。

 果たして2014年のドラフト指名はどうなるのか? 23日の指名結果に注目したい。(週刊野球太郎編集部)

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2014年10月23日のニュース