駒大 26季ぶりV!江越涙の一発 天国の祖母に贈る

[ 2014年10月22日 05:30 ]

<中大・駒大>初回1死、駒大・江越は右越えソロを放つ

東都大学野球第8週第1日 駒大3―1中大

(10月21日 神宮)
 2試合が行われ、駒大が未消化だった中大との3回戦を3―1で制し、通算10勝4敗1分けの勝ち点5で、01年秋以来26季ぶり27度目のリーグ制覇を果たした。完全優勝は94年春以来。初回に23日のドラフト会議で注目される江越大賀外野手(4年)の右越えソロなどで3点先制。今永昇太投手(3年)が1失点完投で今季7勝目、現役最多の通算18勝目を挙げた。駒大は11月14日開幕の明治神宮大会に出場する。国学院大は亜大との1回戦に4―2で勝った。

 頭の中は真っ白だった。最後の打者が三振に倒れると、江越は中堅から全速力で駆け寄り、歓喜の輪に加わった。13年の闇を抜け、ついに戦国東都の頂点に立った。「ようやくここまで来られた」。3度胴上げされると、目は真っ赤だ。勝てば優勝の試合を落として亜大に逆転優勝を許した昨春、入れ替え戦でもがいた昨秋、全カードが3回戦まで突入した今季。苦しかった時を思い出し何度も涙をぬぐった。

 初回、斎藤の2ランで先制した直後だ。中大・島袋の直球を捉えて右翼席に運び、リーグ戦通算11号のソロ。こすったような当たりも持ち前のパワーでスタンド際に放り込み「良い形で点が取れて良かった」と喜んだ。見守ったDeNA・吉田孝司スカウト部長は「タイミングのとり方が良くなった。十分上位でしょう」。阪神・中尾孝義スカウトも「持ってる力はものすごいね」と高評価した。

 9月25日、祖母・アサ子さんを亡くした。シーズン中だったため、気遣った両親が詳細を伝えず、葬儀にも参列できなかった。アサ子さんは寝たきりで長く入院していたが、いつも応援してくれたという。「帰省するといつも頑張れって言ってくれた。絶対に優勝して、帰って報告がしたいと思った」。そう語ると、再び目を潤ませた。

 2日後に迫った運命のドラフトを前に、江越はこう話した。「今は不安しかないけど待つだけ。自分のやれることは出せたと思う」。26季ぶりのリーグ優勝を果たし、目指すは13年ぶり全国制覇。プロ注目の大砲は、最高のラストシーズンを思い描いている。

 ▼駒大・西村亮監督4年生が引っ張ってくれた。優勝させなければいけないという思いは毎日あった。

 ◆江越 大賀(えごし・たいが)1993年(平5)3月12日、長崎県生まれの21歳。小2からソフトボールを始める。西有家(にしありえ)中では軟式野球部に所属。海星では甲子園出場なし。駒大では2年春、3年秋に外野手部門でベストナイン。昨年の日米大学野球で日本代表入り。1メートル82、85キロ。右投げ右打ち。

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