虎 ド根性連勝!上本頭部死球も立ち上がり生還「少しだけボーッと」

[ 2014年10月17日 05:30 ]

<巨・神>5回無死一塁、上本が頭部に死球を受け、和田監督が心配そうにのぞき込む

セ・リーグCSファイナルS第2戦 阪神5-2巨人

(10月16日 東京D)
 大観衆の悲鳴とともに、阪神・上本が打席内に倒れ込んだ。2―0の5回無死一塁、カウント2ストライクからの3球目。巨人・沢村が投じた145キロの速球が左側頭部を直撃。脳振とうでしばらくピクリとも動くことができなかった。

 「大丈夫です…。(当たった場所は)こめかみのあたり。少しだけボーッとした。チームが勝ったことが一番」

 気丈に振る舞って球場をあとにした上本。しかし、その足で都内の病院に直行した。

 球団トレーナーに両脇を抱えられて一度はベンチに下がったが、「行けます!」と和田監督にプレー続行を志願。頭部にダメージを受けながらも1メートル73の小兵の選手会長は気迫で再びグラウンドに姿を現し、ダッシュで一塁に向かった。9月3日のDeNA戦(甲子園)でも背中に死球を受けた。数日間は肩も上がらない状態だったが、それでも強行出場を続けた。ただ、痛みから打撃不振に陥り、最後の7試合は30打数1安打、打率・033と苦しんだ。

 それでもCSに入って復活。11日の広島戦(甲子園)では猛打賞を記録してチームを勢い付けると、この夜も勝利への突破口を開いた。「形どうこうより、とにかく食らいつくだけだった」。3回1死一、二塁から先制の中前適時打を放ち、試合の主導権を握った。

 海の向こうではロイヤルズがポストシーズン8連勝でワールドシリーズ進出を決めたが、同じくレギュラーシーズン2位の阪神もここまでCSは3勝1分けと無敗の進撃が続く。そのロイヤルズが世界一となったのが29年前の1985年。くしくも阪神が日本一になった年で、10月16日は同年にリーグ優勝を決めた「記念日」だった。

 巨人を連破した和田監督は言った。「きょうも先制点を早い回に取れた。先行逃げ切りという形でいいゲームができた。打線に活気が徐々に出てきた。いい雰囲気で野球ができている」。完全に勢いは虎にある。17日の第3戦にも勝って、日本シリーズ進出に一気に王手をかける。

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