阪神 史上初!引き分けコールド CSファーストS球団初突破

[ 2014年10月13日 05:30 ]

<神・広>歓喜の表情でベンチを飛び出すマートン(右端)ら阪神ナイン

セ・リーグCSファーストS第2戦 阪神0―0広島

(10月12日 甲子園)
 初の「引き分けコールド」で決めた!セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)は12日、第2戦が行われ、レギュラーシーズン2位の阪神が1勝1分けで初のファイナルステージ進出を決めた。0―0のまま延長12回表が終了。同3位の広島が阪神を対戦成績で上回れなくなったため、この時点で試合が打ち切られた。15日からのファイナルSではリーグ優勝の巨人と激突。6試合制(巨人に1勝のアドバンテージ)で日本シリーズ進出を争う。

 今季最多の4万6815人で埋まった甲子園のスコアボードに23個の「0」が並んだ瞬間、球団初のファーストステージ突破が決まった。12回裏の攻撃を行わないCS史上初の「引き分けコールドゲーム」。試合を締めた3番手の福原は、和田監督に白球を手渡した。

 「1勝目以来だな」。指揮官はそう言って、はにかんだ。ウイニングボールではない。しかし、監督として初勝利を挙げた12年3月31日のDeNA戦(京セラドーム)以来となる2つ目の「記念球」の重みは、1勝以上の価値があった。

 過去4度のCSはいずれもファーストステージで敗退と、短期決戦での弱さを露呈していた。5度目の挑戦も苦しい戦いだった。第1戦に続く投手戦。0―0のスコアが続く中、和田監督は掟(おきて)破りの手を繰り出した。9回、先発の能見に代えて2番手に起用したのは守護神の呉昇桓(オ・スンファン)だ。この回を3者凡退で片付けると、延長10回も無失点。ここまでは想定できた。だが、11回のマウンドにも背番号22が駆け足で向かった。

 「疲れはなかった。2イニング目が終わってベンチで監督、コーチのチェックを受けて大丈夫ということで、いけるとなった」

 9月下旬から何度もイニングをまたいだ好救援を見せていた呉昇桓だが、3イニング目は来日初めて。しかし、昨年の韓国シリーズでは5イニング目のマウンドに上がり、韓国記録となるポストシーズン通算13セーブをマークした男はタフだった。先頭・菊池に右前打を浴びたものの、丸を一邪飛。1死一塁から菊池は盗塁死で、最後はロサリオを150キロの直球で捕邪飛に仕留めた。「一つのミスが命取りとなる。短期決戦ではいかにミスを少なくするか」。奪三振は2ながら、打たせて取る投球で36球にまとめた。

 引き分けでもファーストステージ突破が決まる状況。ベンチは引き分けに持ち込むべく、3イニング起用を決断し、守護神も見事に結果で応えた。セ・リーグは昨年から申し合わせ事項として、12回に同点でステージの勝ち上がりが確定した時点で「コールドゲーム」としており初の適用。第2戦は勝利投手も、勝利打点もないが、初戦から2試合計21イニングで1点も与えず、昨年同じ舞台で連敗した広島に見事に雪辱した。

 「投手陣がよく踏ん張ってくれた。東京ドームでもう一回、ひと暴れしたい」。和田監督は力強く言った。宿敵・巨人とのファイナルステージ。猛虎のプライドとともに総力を結集して、王者に立ち向かう。

 ▽セ・リーグCS試合方式 ファースト、ファイナルいずれのステージでも、引き分けを除いた勝敗が同じ場合は、上位球団を勝者とする。悪天候などで予定された試合を消化できなかった場合も同様とする。また、いずれのステージでも、レギュラーシーズン上位球団の勝利数が、下位球団の勝利数と同数以上になることが確定した時点で、上位球団が勝者となり、そのステージは終了する。

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