星野監督 あいさつ全文「最下位からまた皆さんを喜ばせよう」

[ 2014年10月8日 05:30 ]

<楽・オ>ファンが振るペンライトの明かりの中、退任セレモニーを行う星野監督
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パ・リーグ 楽天2-3オリックス

(10月7日 コボスタ宮城)
 【楽天・星野監督あいさつ全文】

 素晴らしいセレモニー、昨年を思い出します。重苦しい、苦しい、悲しいシーズンでした。でも、最後まで本当に見届けてくれまして感謝します。思い起こせば4年前、大震災から私が就任しました。どうなるのやら、本当に何と言うか、悲しいスタートでした。でも、選手らとともに東北の人たちを何とか喜ばせよう少しでも和まそう、そういう思いでスタートした一年でした。勝負というのは本当に残酷です。昨年のあの皆さんから、そして選手から何度も何度も宙を舞ったあのシーンを思い出します。あのまま本当に時計が止まってほしいと思ったぐらいうれしいあの瞬間でした。

 まさに今年と昨年は天国と地獄です。歓喜の後には悪夢が常に寄り添っている。人生ってそんなもんだなと、そんな思いで1年間を過ごしました。最大の責任は私が長期にわたり皆さまの前から消えたことです。痛切に責任を感じております。このままでは皆さんを喜ばせられない、そういう思いで今日限りユニホームを脱がしていただきます。

 本当に4年間、短いようで私にとっては非常に長く感じました。特に1年目は皆さんとともに苦しみ励まし合い、何とか生き抜こう、そういう思いで東北の皆さんとともに戦ってまいりました。皆さんも忘れちゃいけません。あの悲しさ、悔しさ、我々もいつまでも勝負の世界というものは悲しさや喜びやそういうものが入り交じってきます。ただ今年、こういう結果になりまして選手たちが、また皆さんとともに夢を追いかける、目標に向かって前に進む、そういうことができました。中途半端に4位5位じゃ面白くない。思い切って最下位からまた皆さんを喜ばせよう。そんな選手になってもらいたい。

 ようやくスタンドの皆さんから激しいヤジが飛び出しました。私はこれが一番うれしい。やはり皆さんが選手を育てる。チームを強くする、その責任も皆さんにもありますよ。大いに悪いことは悪い、良いプレーしたら褒めてやる。そういう思いで選手を見つめてやってください。

 最後に選手諸君、コーチの皆さん本当にこの4年間ありがとう。裏方さんにも本当にありがとう。社員の皆さん、こんな素晴らしい最後のセレモニーを催してくださいまして、本当にありがとうございました。イーグルスの監督になって本当に良かった。最高に幸せな野球人生を送らせていただきました。また、遠くから皆さんとともに彼らの目標をしっかりと応援してやりましょう。本当に皆さんありがとう。さようなら。

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2014年10月8日のニュース