広島 菊池でマツダCS王手 本拠地初開催へしびれるV打

[ 2014年10月1日 05:30 ]

<広・ヤ>お立ち台で興奮したスラィリー(右)に腕をきめられ苦もんの表情の菊池

セ・リーグ 広島7-6ヤクルト

(9月30日 マツダ)
 クライマックスシリーズ(CS)の本拠地開催をたぐり寄せる打球が、左翼手の頭上を越えていった。広島の菊池が6―6の8回2死一、二塁で山本哲のフォークを捉え、勝ち越しの適時二塁打。ヒーローは「まだちょっと、しびれています」と興奮を隠さなかった。

 決勝打の直前には両手がしびれた。内角のシュートでバットを折られ、追い込まれた。「悔しかったですね。貴重な一本。恨みを晴らしたかった」。闘志を燃やす一方で冷静だった。「次、決めてくる」と踏んだ。だから、山本哲のウイニングショットに反応でき、会心の一打を飛ばした。シーズン37本目の二塁打で球団記録に並んだ。

 自身にとっても、価値ある一打だった。リーグ最多安打争いのトップに立つ186安打目。並んでいたヤクルト・山田の目の前で引き離し「そっちの方もちょっと、しびれてます」とニヤリと笑った。守備でも自身が昨季に打ち立てた二塁手のシーズン補殺のリーグ記録を更新。プロ3年目で早くもプロ野球界を代表する選手に成長した。

 シーソーゲームを制した野村監督は「一番当たっている打者に最後回ってくるのは、(勝つための)試練かな」と興奮気味に話した。1日の3位・阪神との直接対決を前に、1ゲーム差に引き離し、2位確保へ大きく前進。本拠地での一戦で勝つか、引き分ければ2位が決まり、CSで球団初の本拠地開催が実現する。1試合2億円近くの収益が見込まれる上に、熱狂的なファンの前で戦えることも有利に働く。広島には打っても守っても、最高の2番打者がいる。菊池だ。「あしたも任せてください!」。しびれる雄叫びだった。

 ▽菊池(広島)セ・リーグ新の二塁手シーズン529補殺 30日のヤクルト戦(マツダスタジアム)の7回、川端の二ゴロで13年に自身が記録した528補殺を更新した。

 ≪2位の行方≫2位の広島が勝ち、3位の阪神が敗退。この結果、広島は1日の直接対決で阪神に勝つか、引き分ければ今季の2位が確定する。また、敗れた場合でも5日の巨人戦に勝つか引き分けなら2位になる。一方の阪神は自力2位が消滅。逆転2位の条件は、1日の広島戦に勝ち、広島が巨人戦に敗退と、苦しい立場に追い込まれた。

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