能見 鳥取城北の後輩逸ノ城躍進にあやかる!「すごいよね」

[ 2014年9月29日 08:47 ]

笑顔を見せる能見

 エースで、2位フィニッシュへ―。阪神のシーズン最終戦となる10月1日の広島戦(マツダスタジアム)に、能見篤史投手(35)が先発することが濃厚となった。鳥取城北高の後輩、大相撲の逸ノ城の快進撃に刺激をうけ、大一番に向かう。この日、広島が敗れたため、勝率1厘差で3位のままだが、ゲーム差はなくなった。続投が基本方針となっているものの、来季去就が微妙な和田豊監督(52)も連勝締めを狙う。

 能見は「怪物」の存在を知っていた。それも、ずっと前からだ。相撲界で旋風を巻き起こしている逸ノ城は高校の後輩。話題を振られると、言葉は弾んだ。

 「相撲は普段からよく見てるから。(逸ノ城は)十両のころから知っている。(鳥取)城北は相撲も強いしね。すごいよね。体のでかさが、すごい」

 世間の注目を集めた27日の横綱・白鵬戦もテレビ観戦したといい、「(横綱と組んでも)重いからか知らないけど、体が動かないよね」と驚嘆した。この日千秋楽の安美錦戦にも勝って13勝2敗でフィニッシュ。26日には西の横綱・鶴竜を左変化からのはたき込みで破って史上最速となる金星も獲得し、立ちはだかる壁を次々に打ち破り「下克上ロード」を猛進した姿にこれからの自身の姿をダブらせた。

 次は、先輩が躍動する番だ。ターゲットは言うまでもなく“東の横綱”である巨人。リーグ3連覇を成し遂げ、再び相まみえるにはCSファースステージを突破するしか道は残されていない。

 横綱・巨人を倒して、逸ノ城ばりの下克上を期待されていると問われると、「先を見ていたら足下をすくわれるので、目の前の一試合一試合を戦っていく」と慎重だったが、“一番一番”を着実にものにし、宿敵への挑戦権を手にするだけだ。

 リベンジの思いも強い。「Gキラー」と称されながら、今季は開幕戦で10失点KOされるなど、1勝(5敗)止まり。重ね合わせるのは逸ノ城の気概だ。白鵬戦後に「思い切りいって良かった」と横綱との真っ向勝負に充実感を漂わせた。左上手からの寄りが得意なだけに、能見も左上手投げから繰り出す直球、変化球の緩急を生かした投球で巨人に真正面からぶつかっていく。

 まずは“結びの一番”となるレギュラーシーズン最終戦、10月1日の広島戦での好投が条件。この日、ゲーム差0となった2位チームとの直接対決のマウンドは、CS本拠地開幕へ向けての大一番となる。

 「しっかり集中力を持って投げたい。それを次にどう生かしていくか」。「次」とは巨人との頂上決戦に他ならない。能見の“千秋楽”はこれからだ。

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2014年9月29日のニュース