内海完封!上原超え113勝 巨人V加速M14、4連勝で独走5差

[ 2014年9月13日 05:30 ]

<巨・D>完封勝利の内海(左)は捕手・加藤と笑顔で喜び合う

セ・リーグ 巨人4-0DeNA

(9月12日 東京D)
 巨人の内海哲也投手(32)が12日、DeNAを無四球の4安打で完封し今季5勝目を挙げた。球団では歴代単独14位となる通算113勝目。打線は内海の社会人時代の同僚、片岡治大内野手(31)の6号2ランなどで、DeNA・三浦大輔投手(40)を攻略し、4連勝を飾った。広島が阪神に敗れたため、優勝へのマジックは「14」となった。

 内海も黙っていられなかった。先にお立ち台に上がった東京ガス時代の同僚で同学年の片岡が「真っすぐが128キロしか出てなかったけど、丁寧に投げてました」と左腕をちゃかしていた。インタビュアーに投球内容を振られる。待ってました、とばかりに言い返した。

 「僕は本格派なので、真っすぐが一番良かったと思います」。爆笑のヒーローインタビューが、チームの雰囲気の良さを表していた。

 本当は気にしていた。初回を終え、最速は135キロ。その後もスピードが上がってこない。試合を通して球速表示は通常より5キロほど遅かった。スピードより球の切れと制球で勝負する左腕も、試合が進むにつれて不安になった。たまらず、後ろから見ている坂本に聞いた。

 内海「スピードが出ていないんだけど」

 坂本「そんなことないですよ」

 あとはミット目掛けて腕を振るだけだった。「(坂本の言葉を)信じて投げました」。3回から8回まで完全投球。唯一、得点圏に走者を背負った9回2死一、二塁では直前に2球続けて切れのある直球を投げ、最後は狙い通り外角低め119キロのチェンジアップでグリエルを遊ゴロに斬った。DeNA戦は8月29日(横浜)に続く完封だったが「(チームの)足を引っ張りたくないという思いだけでした」と苦しい胸の内を明かした。

 ようやく5勝目に到達した。「そういう年という思いで割り切ってやっている」。安定しない調子の波は試合前のブルペンも同じだ。プロ初の最多勝に輝いた11年から試合前のブルペンが良いと、試合でも同じ投球ができた。それが今季は「ブルペンで良くても駄目なときが多い。悪いときはそのまま悪い」。1球目を投げる瞬間までわずかな不安がつきまとう。この日も「中継ぎのつもりで一イニング一イニング、初心に帰って投げました」とエースが新人のような気持ちで臨んだ。

 9連戦最初の9日からの阪神3連戦(甲子園)では杉内、菅野、沢村と、いずれも先発に白星がついた。「僕が引っ張らないといけないのに、引っ張ってもらっている」。最後まで謙遜していたが、マジックを2減らし、9連戦の間で完封して中継ぎを休ませた。好調な先発陣の中で、エースも存在感を示した。

 ≪上原超え113勝≫内海(巨)がDeNA打線を4安打に抑え無四死球完封勝利。自身完封勝利は8月29日DeNA戦以来通算11度目だが、無四死球もその試合に次ぎ5度目。巨人で同一カード2試合連続無四死球完封は城之内が64年8月14日、9月3日阪神戦でマークして以来50年ぶりになる。これで通算勝利は113勝。巨人では上原の112勝を抜き歴代単独14位に浮上。なお、巨人が勝ち広島が敗れたため前日再点灯したマジックは2つ減り14。現日程での最短優勝は20日。

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