大谷10勝10発に王手弾 狙い球外れても逆方向へズドン

[ 2014年9月6日 05:30 ]

<オ・日>2回1死、大谷は左越えソロを放つ

パ・リーグ 日本ハム7-3オリックス

(9月5日 ほっと神戸)
 天才的だ。日本ハム・大谷は直球を待っていたが、東明が投じた球はスライダーだった。「あっ、変化球だと思っているうちに(ボールを引きつけたら)バットが振り遅れて、逆方向へ飛んでいってしまった」。それでも打球は右翼から左翼方向に流れる風に乗って、左翼席へ飛び込んだ。

 2回1死から先制9号ソロ。開幕前に目標としていた10本塁打に王手をかけ、大リーグで1918年にベーブ・ルース(当時レッドソックス)が13勝、11本塁打をマークして以来となる「2桁勝利、2桁本塁打」の快挙に王手をかけた。

 昨季の3本塁打は全て中堅から右翼方向だったが、今季は9本中5本が中堅から左翼方向。「もともと、逆方向へ打球が飛んでいるときは調子がいい」と胸を張る。林打撃コーチも「リストが柔らかく、インサイドからバットが出るから逆方向でも飛ぶ」と称えた。

 前夜は大阪市内で外野手会が開催された。外野で今季8試合出場している大谷も参加し、今季限りで現役引退を表明した稲葉に全員で、花束と高級バッグをプレゼントした。「グラウンドに落ちているゴミがあれば拾い、全力疾走もする。選手だけでなく人間として尊敬している。一日でも長く一緒に戦いたい」と入団前から憧れていた大先輩との時間を満喫した。大谷にとっては、「2桁勝利&2桁本塁打」の快挙よりも、日本一の花道で稲葉を送り出すことの方が大きな目標なのだ。

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2014年9月6日のニュース