将来性の安楽か、即戦力の有原か…阪神ドラ1候補2人に絞った

[ 2014年9月5日 12:11 ]

阪神がドラフト1位候補に挙げている済美の安楽

 済美(愛媛)の安楽智大投手(3年)が4日、事実上のプロ志望を表明したことを受け、右腕をドラフト1位候補に挙げる阪神は10月23日のドラフト会議に向けた調査、話し合いを本格化する。球団内では安楽とともに早大の有原航平投手(4年)も1位候補にリストアップ。この2人を1位候補筆頭に、ドラフト戦略を練り上げて行く。

 猛虎が昨年から熱視線を送り続けている最速157キロ右腕が、事実上のプロ志望を表明した。安楽は今後、両親と野球部部長らとの面談を経て、早ければ今月中旬にもプロ志望届を出す。素材面で言えば、今年のアマチュア球界No.1のダイヤの原石。藤浪や日本ハム・大谷に勝るとも劣らない可能性を秘める金の卵が、ようやく「指名候補」のテーブルに乗った。

 この“恋人”の決断を受けて球団の動きもいよいよ本格化する。プロ志望を表明する前なら絵に描いた餅にしかならなかった安楽に関する調査、話し合いが、一気に現実味を帯びてくるからだ。

 やはり気になるのは、昨秋に痛めた右肘の状態だろう。すでに阪神は7月5日の練習試合・鳴門渦潮戦、同16日の愛媛大会1回戦・三島戦を中村GMが直々に視察。編成トップが短期間に2度も視察した事実だけでも、注目度の高さがうかがえる。その際、改めて実力を見定めると同時に、短期間の実戦登板を見比べることによって肘の状態も見極めたもようだ。

 その上で、ある球団首脳は「あれだけの素材。たとえ肘に問題があったとしても、2~3年後に出て来てくれたら」とまで言う。それだけ安楽の素材に惚れ込んでいる。

 即戦力になれなくとも、“対応策”に抜かりはない。球団は今オフの補強策の一環として、国内フリーエージェント(FA)権を取得した中日・山井の獲得調査を進めている。獲得に成功すれば、今後2~3年は先発ローテーションを守れる投手を確保できる。不調の場合も、計算の立つ先発の補強に動くことは必至。いずれにしろ安楽に「2~3年の猶予」を与えることになるわけだ。

 もちろん球団内には、即戦力投手の1位指名を推す声も多い。その筆頭候補は、最速156キロを誇る大型右腕の早大・有原だ。有原なら入団1年目から先発ローテーション入りを期待でき、今季やり繰りに苦しんだ「先発の駒不足」という課題の解消も見込める。将来性の安楽か、即戦力の有原か―。ギリギリまで、話し合いを重ねていく。

続きを表示

2014年9月5日のニュース