長野が長野で復活3安打 首位攻防戦先勝で巨人4日にもM灯

[ 2014年9月3日 05:30 ]

<巨・広>初回無死一、三塁、坂本が左中間に3ランホームランを放ち長野(左)に迎えられて笑顔で生還

セ・リーグ 巨人9-4広島

(9月2日 長野)
 長野で長野が復活した。右膝を痛めていた巨人の長野久義外野手(29)が2日、広島との首位攻防初戦で「1番・右翼」で先発復帰。初回の右前打で坂本勇人内野手(25)の逆転13号3ランを演出すると、2回にも適時打を放ち、3安打の活躍で勝利に導いた。左大腿筋肉離れから復帰した亀井義行外野手(32)も7号ソロ。負ければ、同率首位に並ばれた広島を2ゲーム差に引き離し、最短で4日に優勝マジック「22」か「23」が点灯する。

 右膝の痛みよりも試合に出られない「苦痛」のほうが大きい。長野は勝利に貢献したい一心でグラウンドに立った。10試合ぶりの先発復帰戦で3安打1打点と活躍し、お立ち台で力強く言った。

 「凄くチームに迷惑をかけた。このチームで優勝したいので勝ててよかったです」。1番打者として1点を追う初回にいきなり右前打を放ち、坂本の逆転3ランを呼び込んだ。1点差に詰め寄られた2回にも左前適時打。「詰まりましたが、振り切った分、いいところに飛んでくれた」。7回にも右前打を放ち、今季8度目の猛打賞で輝きを取り戻した。

 8月21日ヤクルト戦(神宮)、同点の9回1死一、二塁。抜ければサヨナラ負けだった右中間の飛球をランニングキャッチした。だが、その代償は大きく、右膝を負傷。阪神、広島とし烈な首位争いを繰り広げる中、先発から外れ「悶々(もんもん)としてました」と言う。それでも、代打待機しながら握力を鍛える器具をベンチに持ち込み、両腕を鍛えていた。

 胸に響いた言葉がある。ソフトバンク・内川は首を痛めながら、この日のオリックスとの首位決戦に向け「絶対に出なきゃいけないゲームがある」と出場を直訴。長野は報道で知った。自身も右膝の状態は万全ではない。だが、13年WBCでともに戦った先輩の決意に「その通りだと思った」と発奮。試合前はランニングで人工芝の状態を確認し、結果を残した。

 もう一人の頼れる男も帰ってきた。左大腿筋の肉離れで戦列を離れていた亀井が復帰戦で4回に右越え7号ソロ。貴重な追加点を叩き出し「状態が100%ではない中で使ってもらい、結果を出したかった」と言った。右手人さし指の骨折から復帰した5月31日のオリックス戦(京セラドーム)でも延長12回に決勝アーチを放った「交流戦MVP男」が、またも復活アーチを描いた。

 戦国時代に甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信が数回にわたり争った「川中島の戦い」の古戦場は、球場から約3キロの距離にある。試合前、原監督は「川中島って決着がつかなかったんだろ?何度も何度もやって…。両軍ともにしつこかったんじゃないか」と思いをはせた。厳しい戦いを覚悟して臨み、1差に迫った広島を突き放した。6月8日に単独首位に立って以降、首位陥落や同率首位の危機に陥った試合は6戦6勝となった。

 指揮官は「見事にいい仕事をしてくれた」と長野と亀井を称えた。くしくも名前と同じ長野で復活した長野は「少しずつでも取り戻せるようにしたい」。痛みを振り払い、リーグ3連覇をつかむ。

 ≪3、4日巨人連勝でM灯≫首位の巨人が2位広島に勝ちゲーム差を2に広げた。早ければ4日にも巨人に優勝へのマジックナンバーが点灯する。巨人が広島に連勝することが条件で、阪神が3、4日のDeNA戦に連勝でM23、1敗か1分け以上ならM22が出る。

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