稼頭央 21年ぶり!先頭弾&サヨナラ安打 “サプライズ”家族からパワー

[ 2014年9月1日 05:30 ]

<楽・ソ>12回2死二塁、サヨナラ打を放ち、ナインの手荒い祝福を受ける松井稼(手前)

パ・リーグ 楽天4-3ソフトバンク

(8月31日 コボスタ宮城)
 楽天・松井稼で始まった試合を、松井稼が締めた。3―3で迎えた延長12回の楽天の攻撃。2死二塁で1ボール2ストライクからの5球目スライダーを叩くと、打球は前進守備の中堅・柳田のはるか頭上を越えていった。4時間41分の激闘に終止符を打つ自身7度目のサヨナラ打。今季初のお立ち台に、自然と声も弾んだ。

 「結果はどうあれ、思い切ったスイングをしようと。最高の結果につながりました」

 コボスタ宮城の最多観客動員数を更新する2万5372人が集結した一戦。試合前も主役だった。24日のオリックス戦(京セラドーム)で達成した日米通算2500安打のセレモニー。サプライズ演出で長女(13)と長男(6)がプレゼンターで登場すると、松井稼は「何でここにいるの?」と驚いた。

 家族は都内の自宅で生活しており、本拠地での試合に勢ぞろいすることは少ない。特に中学2年生の長女はバスケットボールの部活が忙しく、関東遠征の際も父との時間が取れない。そこで球団が美緒夫人(40)を通して依頼し、特別に休みをもらって日帰りで駆けつけた。「まさか娘が来てくれるとは」。松井稼は花束を受け取ると2人を抱きしめた。

 初回。家族の支えを力に変えて、同点となる今季初の先頭打者アーチを放った。通算ではパ単独3位となる23本目。「右打席では今季初本塁打で、久々の感触。しっかり振り抜けた」。今季5号だが8月だけで4本目。8月は打率・380と絶好調だ。5回は中前打。そして家族が帰った後の12回の劇打でシーズンの打率も3割に乗せた。

 夏休み最後の日に見せた、21年ぶりとなる先頭弾&サヨナラ安打。「ホームランだけ見て帰ったと思う。お父さん、頑張ってるよというのを見せられた」。38歳のパパはうれしそうだった。

 ▼楽天・星野監督(松井稼は)ここのところ、バットがさえている。いいことだね。

 ▼楽天・島内(12回2死から右前打。二盗を決めてサヨナラ打をお膳立て)盗塁は行けたら行けのサイン。今年は仕事らしい仕事ができていなかったので、良かった。

 ≪93年中日パウエル以来≫松井稼(楽)が通算23本目の初回先頭打者本塁打。初回先頭打者本塁打の最多記録は福本(阪急)の43本だが、山崎裕之(西)の22本を抜く歴代単独8位となった。さらにこの日は延長12回にサヨナラ安打。同一試合で1人の打者が先頭打者本塁打とサヨナラ打は、06年6月4日西武戦の清水(巨=サヨナラ犠飛)以来。サヨナラ安打は、93年10月13日ヤクルト戦でパウエル(中)が本塁打で決めて以来21年ぶりとなった。

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