マー君 今季中の復帰に前向き プラン白紙も“小休止”強調

[ 2014年8月31日 05:37 ]

28日、シート打撃に登板し首脳陣と話をする田中(右)

 右肘のじん帯部分断裂で故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの田中将大投手(25)の復帰プランが白紙となった。29日(日本時間30日)、右腕全体に張りを訴え、約1週間は本格的な投球を回避することが決定。自らブレーキをかけた格好で、30日(同31日)にニューヨークに戻り、筋力強化に取り組む。復帰は早くても9月後半。これ以上の遅れが出た場合は今季中の復帰に黄信号がともる。

 故障後、初の実戦的な投球となった28日のシート打撃を「全ての面で良くなかった」と振り返った田中は、一夜明けたこの日のブルージェイズ戦前、ジョー・ジラルディ監督にニューヨークに戻っての調整を直訴した。最大の理由は、右腕に張りが生じたためだ。

 「誰でも投げ始めで段階が上がると張りとかは出てくると思う。一回時間をもらって整えたい」

 新たな肘の痛みではなく、指揮官も「特定の箇所を痛めているということではない」と説明。精密検査なども予定されていないという。ただ、今後1週間はブルペンに入らず、キャッチボールにとどめる。これまでは順調にリハビリメニューを消化してきたが、初めて調整に遅れが出た。

 ニューヨークでは、肩周辺を中心とした筋力強化にも取り組む。7月14日にPRP(多血小板血しょう)療法の注射を受けた後、3週間の静養を余儀なくされたことで、筋力が低下。制球や切れを欠いた前日のシート打撃登板で「もう少し強化が必要だと感じた」という。施設も整っていることから「いろんな体の機能を、もう一回整えてやりたい」と話した。

 ここに来ての「小休止」は、復帰プランが白紙になったことを意味する。当初は、順調にいけば9月13日(日本時間14日)のオリオールズ戦でメジャー復帰となる可能性が高かったが、1週間ずれ込むことで早くても同21日(同22日)ブルージェイズ戦。レギュラーシーズン最終戦は28日(同29日)で、ペースが上がらなければ今季中に復帰できない可能性も出てくる。しかし、ヤ軍はプレーオフ争いで厳しい位置につけていることもあり、ジラルディ監督は「チームのために投げてほしい。今季残りを休ませるのは手術のときだ」と今季中の復帰を熱望した。

 それは、田中も同じだ。「自分としては、この1週間で変えられるのではないかと思う」と悲愴(ひそう)感を見せず「ここまで順調に来ていたので、もちろんそれ(復帰)は頭に入れて進めていく」と、あらためて意欲を口にした。

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