“世紀の死闘”軟式野球 どうなる?54回で打ち切り抽選、Wヘッダー決勝

[ 2014年8月31日 05:30 ]

<崇徳・中京>延長45回2死二塁、崇徳の高瀬(手前右)が三振に倒れ、またまたサスペンデットゲームに

第59回全国高校軟式野球選手権大会準決勝 中京0―0崇徳

(8月30日 明石トーカロ球場)
 第59回全国高校軟式野球選手権大会の中京(東海・岐阜)と崇徳(西中国・広島)の準決勝は30日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場で延長31回から再開され、45回まで計9時間18分を戦っても0―0で勝負がつかなかった。この日も中京・松井大河投手(3年)、崇徳・石岡樹輝弥投手(3年)が引き続き登板し、球数は3日間で松井が635、石岡が617球に上った。3日連続のサスペンデッドゲーム(一時停止試合)となり、決着は31日に持ち越し。31日は午前9時プレーボールで46回から始まり、大会規定で最長54回まで実施される。

 両チームにとって本塁が果てしなく遠かった。スコアボードに延々とゼロが並び、中京、崇徳ともに決定打が出ないもどかしさだけが漂った。

 この日、中京は得点圏に4度走者を進めたが、どうしても次の一本が出ない。36回2死二塁、38回2死二、三塁で凡退した加藤は「強いゴロを打つことを意識しているが、欲しいところで出ない」と歯がゆそうだ。45回、2死二塁で主将の後藤も遊ゴロに倒れ「打ち急いでしまった」と渋面をつくった。

 崇徳は34回、先頭の島川が左越えの三塁打を放ったが、1死後に高瀬がエンドランを外されて空振り三振。飛び出した島川もアウトになり、サヨナラの好機を逸した。「絶好のチャンスで決められなくて悔しい」と、高瀬は涙を流した。

 硬式に比べて打球が飛ばず、点が入りにくいとされる軟式野球。それでも中京は45回で計19安打、崇徳は24安打したが、ともにチャンスを生かせなかった。全日本軟式野球連盟によると、軟式ではこれまで1983年9月の全日本大会決勝、ライト工業(東京)―田中病院(宮崎)の延長45回、8時間19分が最長。延長回ではそれに並び、試合時間は約1時間上回る「世紀の死闘」となっている。

 ただ、大会規定で最長でも試合は54回まで。すでに3日間で9時間18分を戦った両チームとも疲弊しきっているが、決着はつくのか。その先にはダブルヘッダーで決勝が待つ。中京・平中亮太監督は「こんな経験は後にも先にもない。何とか1点をもぎ取りたい」と決意を口にし、崇徳・中河和也監督は「気持ちを前面に出して挑むことが大事」と表情を引き締めた。

 ◆31日はこうなる◆

 中京と崇徳の準決勝の勝者は三浦学苑(南関東・神奈川)との決勝(午後0時30分開始予定)に臨む。1日に2試合行うチームのプレーは大会規定で合計18回以内とする。2学期を控える日程を考慮して大会は31日が最終日。決勝は少なくとも9回が必要なため、3日間で延長45回の準決勝ではあと9回しか戦えず、今回の場合は54回で打ち切られる。54回までもつれると決勝も9回で打ち切り。同点の場合は優勝預かりという形で、両校準優勝となる。1日に2試合を行う場合、大会規定により、投手の投球可能回数は15回と定められている。

 ▽サスペンデッドゲーム 全国高校軟式野球大会の準決勝までに適用される。15回ごとにいったん試合を打ち切り、後日次の回から再開する。試合が継続しているため、再開した回で決着する場合もある。選手は一度退くと、再びその試合に出場できない。日本高野連は硬式に比べ、軟式は投手の肘や肩への負担が軽く、日程の消化も進むため採用している。

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