阪神 呉昇桓で痛恨逃げ切り失敗…首位どころか自力V消滅危機

[ 2014年8月27日 05:30 ]

<巨・神>9回2死二塁、ロペスにサヨナラ打を打たれてうなだれて引き揚げる呉昇桓

セ・リーグ 阪神3-4巨人

(8月26日 東京D)
 神様が猛虎に試練を与えているのか…。阪神は1・5ゲーム差で臨んだ首位・巨人との一戦で、勝利目前の9回に守護神・呉昇桓(オ・スンファン)投手(32)が1点リードを守れず逆転サヨナラ負けを喫した。巨人とのゲーム差が2・5に広がるとともに、27日も敗れれば、自力優勝の可能性が消滅する崖っぷちに立たされた。ただ、残り2戦を連勝すれば0・5差に迫る。猛虎よ、今こそ逆境を跳ね返せ!

 目の前にぶらさがっていた「勝利」という名の果実をつかみ損なった。逆転サヨナラ負け…。痛恨の敗戦直後、和田監督の口からは思うように言葉が出て来なかった。

 「(痛い1敗かの問いに)それしか言いようがない。(呉昇桓投入での敗戦だけに割り切るしかないかの問いに)それに関してはその通り」

 1点リードの9回に呉昇桓を投入。勝ちパターンを忠実に守り、逃げ切るだけのはずが、まさかのミス連発で勝利を手放すことになった。先頭・阿部に二塁打を浴びると次打者・村田への6球目のスライダーがワンバウンド。この回から起用された捕手・鶴岡が止められず、無死三塁と傷口を広げた。直後に右犠飛で同点とされた。

 悪夢は終わらない。1死となり迎えた矢野に四球を与えた。そして再びミスが…。隠善への4球目が、またもワンバウンドして鶴岡の股間を抜け1死二塁。2死までこぎつけたものの最後はロペスに中前にサヨナラ打を浴びた。

 徐々に冷静さを取り戻した指揮官は「(9回は)打たれただけじゃなく、そういうこと(バッテリーミス)も絡んだからね。(鶴岡の拙守が)目立つというか…。こういう接戦というか、首位争いはこんなゲームになってくる。ミスした方が負ける」と振り返った。

 7月22日巨人戦以来の失点で6月3日楽天戦以来の3敗目を喫した呉昇桓は「いつもと同じ気持ちでマウンドに上がったつもりだが、結果が悪かった。特に言うことはない。明日から切り替えてやるだけ」と必死に気持ちを切り替えた。

 3連勝で奪首のシナリオが一転、27日敗れれば、自力優勝の可能性が消滅することに。昨年は8月27日からの巨人3連戦で3連敗を喫し、優勝を逃した。同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。球場入りの際、「ここからの戦いをどうするかを常に頭に置いて、キャンプからやってきた。ここを取らないと先がない」と話していた指揮官。ここで失速したら、1年間やってきたことが意味をなさなくなる。

 「この3連戦は、どの試合も大事なんだけど、きょうを落としたことによって、より明日(27日)が大事になる」。今年の和田阪神は、昨年とは違うはず。底力を問われる時が来た。

 ≪27日●なら自力V消滅≫27日も負ければ自力優勝の可能性が今季初めて消滅する。これは阪神が残り試合に全勝した場合の勝率・629(90勝53敗1分け)が、巨人が阪神との残り4試合以外に全勝した場合の勝率・636(91勝52敗1分け)を下回るため。またこの日、3位の広島が勝って0・5差に接近。自力V消滅と同時に3位転落もある。

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2014年8月27日のニュース