富山商 41年ぶり夏2勝!森田「90点」納得の完投ショー

[ 2014年8月18日 05:30 ]

<関西・富山商>汗を飛ばしながら力投する富山商・森田

第96回全国高校野球選手権2回戦 富山商3―1関西

(8月17日 甲子園)
 9回2死二塁、2試合連続完封まであと一人。ここで富山商の森田は適時打を浴び、達成できなかった。それでも右前にポトリと落ちた不運な適時打に笑みを浮かべる余裕すらあった。2試合連続完投。富山商に41年ぶりとなる夏2勝をもたらしたプロ注目の左腕は「初回からストライクを先行できた。初戦は緊張したけど、きょうは最初から気持ちよく投げられた。やっていて楽しかった」と納得顔で話した。

 最速144キロの直球、120キロのスライダー、そして100キロ台のカーブ。ちょうど20キロずつ球速が違い、緩急を自在に操って11三振を奪った。8回までは三塁すら踏ませない圧巻の投球。「1番、3番、4番に仕事をさせなかったのが大きかった」との思惑通り、マークした打者を無安打に封じ、胸を張った。

 最大の武器は縦に落ちるスライダー。原点は2年前の夏までさかのぼる。当時1年生だった森田は同じ左腕の桐光学園・松井裕樹(現楽天)が今治西戦で1試合22奪三振の大会記録を打ち立てた試合をテレビ観戦した。

 「このスライダーに少しでも近づきたい」。投げ込みを続け、今では松井と同じように真っすぐと同じ腕の振りで投げられるようになった。11奪三振中、スライダーで奪ったのは8個。松井のようにワンバウンドでも空振り三振を奪う場面は3回あった。ネット裏で視察したオリックスの由田慎太郎スカウトは「高校生の左投手として全国で3本の指に入る。バランスがいい」と絶賛した。

 日大鶴ケ丘を完封した初戦後、チームメートと宿舎近くの温泉に行き、疲労も取った。自己採点も初戦の「80点」から「90」に伸びた。富山商は春夏通算10勝目。節目の白星をもたらした森田は「一つでも多く勝ちたい」と目を輝かせた。

 ◆森田 駿哉(もりた・しゅんや)1997年(平9)2月16日、富山県生まれの17歳。小1から光陽アスレチックスで野球を始める。南部中時代は富山ボーイズに所属し、県大会優勝。富山商進学後は1年秋からベンチ入りし、2年秋から背番号1。趣味は音楽鑑賞と海外サッカーのテレビ観戦で、好きな選手はオランダ代表のロッベン。家族は両親と弟。1メートル83、79キロ。左投げ左打ち。

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