梶谷「筒香見てた?」弾 試合後届いた“返事”は「不細工」

[ 2014年8月17日 05:30 ]

<D・神>初回1死一塁、梶谷が右中間に10号先制2ランを放つ

セ・リーグ DeNA8-2阪神

(8月16日 横浜)
 いつもより少し重いバットに2人分の思いを込めた。初回1死一塁。DeNA・梶谷は、秋山が1ボール1ストライクから投じたカットボールを捉える。

 「久しぶりすぎて入るかどうか分からなかった」。打球は湿った空気を切り裂いてDeNA初、5試合連続満員札止めとなったハマスタ右中間スタンドへ。7月11日のヤクルト戦(神宮)以来25試合ぶりの一発は先制10号2ランだ。

 「もしかして重さを利用して力まず打てたのかもしれません」

 梶谷は練習前、育成コーチ時代から面倒を見てもらっている蓬莱外野守備走塁コーチから「去年はこのバットだったよ」と930グラムのバットを渡された。今季はずっと900グラムちょっとの軽量バットを使っていたが、練習で使ってみると感じがいい。ゲームでも使ってみると…。会心の一打には名前をつけた。

 「“筒香見てた?ホームラン”です」

 13日の中日戦(ナゴヤドーム)で左中間に上がった大島の打球を追って筒香と激突。筒香は「脳振とうと頸椎(けいつい)振とう」で戦線離脱となった。翌14日に病院へ見舞いに行ったとき「あまり気にしないでください」と言われたが、意識するなというのは無理だった。激突後、前日まで6三振。「筒香の分まで…」という思いが気負いにつながった。

 中畑監督が就任した2年前。「大型三遊間」を期待されたコンビは昨年、故障やミスで2軍落ちし、苦しい時間を共有した。今はともに外野手に転向してブランコを挟む3番、5番としてチームを支えている。筒香は3歳年下ながら「いつも参考にしている」という盟友。3回、マートンが打球を照明に入れて見失った三塁打も「“筒香見てた?ラッキーヒット打法”です」と命名した。

 「仲がいい分、余計心配で…。いや、デキてないですよ」

 阪神戦の連敗を7で止めた試合後。梶谷のスマートフォンに筒香から「LINE」が届いた。テレビから撮ったお立ち台の写真には、「不細工」というメッセージが添えられていた。

 ▽梶谷と筒香の激突VTR 13日の中日戦(ナゴヤドーム)の初回、先頭大島の左中間への飛球を追った中堅・梶谷と左翼・筒香が激突。筒香は人工芝に頭部を強打して動けず、13分後にグラウンドに乗り入れた救急車で名古屋市内の病院へ運ばれた。「脳振とう、頸椎(けいつい)振とう」と診断され入院。翌14日に出場選手登録を抹消された。梶谷はプレーを続け3回に右前適時打を放ったが、大事を取り7回の打席で代打を送られた。

続きを表示

この記事のフォト

2014年8月17日のニュース