期待してたのに…和田監督 怒り倍増 6失点KO秋山を2軍降格

[ 2014年8月17日 05:30 ]

<D・神>3回、和田監督(左端)は6失点KOの秋山(右)に目もくれず怒気を漂わせる

セ・リーグ 阪神2-8DeNA

(8月16日 横浜)
 あ~、もったいない。阪神は16日、7連勝中とお得意サマだったDeNAに2―8の完敗。ペナントレースが終盤にさしかかる中で先発した秋山が3回途中6失点で降板し、和田豊監督(51)も怒りを隠そうとはしなかった。拙守も噴出して、首位・巨人との優勝争いを続ける中、あまりにブザマな一戦。8月戦線は6勝6敗となり、こんなことではいつまでたっても上昇気流には乗り切れません。

 反撃に残された試合数を考えれば、あまりにお粗末すぎた。ファイティングポーズを取ることすら無意味に思える、2―8での大敗。試合後の会見に臨んだ和田監督の声も、怒りで震えていた。

 「(秋山は)先頭うんぬんより、ほとんどのバッターにフルスイングされていた。タイミングが取りやすいんだろうな」

 秋山の乱調がすべてだった。初回1死二塁から梶谷に右越え先制2ランを被弾。1点を返した直後の3回には、5本の長短打を集中され4点を追加された。わずか2回2/3で8安打6失点。2回6失点と沈んだ4月5日のヤクルト戦(神宮)以来、今季2度目の大役でも結果を残すことはできなかった。「同じことを繰り返してしまった」と猛省する秋山を、フラストレーションMAXの指揮官は即座の2軍降格を決め、厳しく突き放した。

 「(期待を裏切ったか?)あとはピッチングコーチに聞いてくれ!」

 吐き捨てるように喋るのは珍しいが、それも無理はない。同じ1試合でも、開幕直後とは持つ意味合いが全く異なっているからだ。この日でシーズン105試合目。首位・巨人を追走するには、もうムダにできるゲームなど一つもない。中西投手コーチの言葉にも、失望の2文が色濃くにじんだ。「ここ2回のブルペンは良かったし、淡い期待はあったけどな。(今後について?)使えるか? 残り40試合を切っているのに!」

 能見、メッセンジャー、藤浪の先発三本柱に加え、今季は岩田が復活を果たした。だが、8月の声を聞いても先発5、6番手が出てきてくれない。秋山に先発マウンドを託した事実は、救世主の台頭を待ち望んでいたからこそ。首脳陣から厳しい言葉が並んだのは、その裏返しでしかない。この日は中継ぎ要員の小嶋を補充して、清水を抹消。捕手2人制にまでしての投手総動員リレーのプランを立てたが、意味のないものになった。

 マツダスタジアムでは首位・巨人が広島に敗れた。ゲーム差は「2・5」のままが救いだが、歩調を合わせていては奪首は叶わない。前夜の快勝も結局は生かせぬまま…。チームに勢いをもたらす起爆剤が、この日も見つからない寂しい夜だった。

 ≪17日先発は岩貞≫今季の阪神は先発6番手に相当する、いわゆる“ローテの谷間”に実績の乏しい5投手を送り込んだが、白星を挙げたのは5月4日の鶴だけ。9試合のうち8試合がヤクルトとDeNAの下位2チームだが、ほとんどが5回を持たずにKOされている。17日の先発はプロ2戦目のルーキー・岩貞。自身の粘投はもちろん、打線による早めの援護も必要になりそうだ。

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2014年8月17日のニュース