石川大会決勝で確信に…“逆転の星稜” 合言葉は「必笑」

[ 2014年8月13日 05:30 ]

<星稜・静岡>8回1死二塁、星稜・岩下は勝ち越しとなる適時二塁打を放ち、ガッツポーズ

第96回全国高校野球選手権大会1回戦 星稜5―4静岡

(8月12日 甲子園)
 8点差に比べれば、2点差なんてへっちゃらだ。石川大会決勝で9回に8点差を大逆転した星稜が、終盤に2点差をひっくり返して16年ぶりの夏1勝を挙げた。

 この日の主役はエース・岩下だった。初回に自己最速を1キロ更新する146キロをマークしたが、7回までに4失点。それでも、チームがテーマに掲げる「必笑(ひっしょう)」の思いを全員が忘れてはいなかった。「どんな時でも笑顔で野球をしよう」という意味を込めて、みんなで考えた言葉だ。岩下は「リードされる展開は、県大会決勝で味わっているので」と言い、初回に適時二塁打を放った福重も「(2点差は)県大会の半分以下。ベンチでも笑っていました」と振り返る余裕があった。

 2点を追う7回は相手の失策に乗じて1点差に迫ると、中村の適時打で同点に追い付いた。8回は1死二塁で右中間へ勝ち越し二塁打を放った岩下が、9回を3者三振で締めた。劣勢で少しも慌てることなく逆にミスにつけ込む落ち着きぶりに、林和成監督は「(石川大会決勝が)財産になったんだと思う。終盤も自分たちのスタイルを貫けた」と教え子のたくましさに感心するばかりだった。

 ▼星稜・山下智茂名誉監督 三重の海星に勝って以来16年ぶりの校歌に感激しています。当時の米沢というピッチャーも喜んで電話してきてくれました。県大会決勝の勢いが残っているのを感じます。8点差がありながら9点取った自信が練習でも見えるし、試合でも落ち着いている。

 ▼楽天・島内(07年度卒)試合はテレビで見ました。母校の活躍はやっぱりうれしいです。今回はスポーツドリンクなどを差し入れさせていただきました。ひとつでも上を目指して頑張ってほしいです。

 ≪北陸3校初戦突破 08年以来2度目!!≫敦賀気比(福井)、富山商(富山)に続き星稜(石川)も初戦突破。北陸3県の代表がそろって初戦突破するのは、08年に高岡商(富山)、金沢(石川)、福井商(福井)が突破して以来、2度目。

 ≪2点差逆転は今回が初≫星稜が最大2点差を逆転勝ち。夏は通算17勝目で逆転勝利は7度目。過去の6度はすべて1点差をひっくり返してのもので、敗戦時も含め2点差を逆転したのは今回が初。

続きを表示

2014年8月13日のニュース