福留 PL後輩マエケン討ちV弾 スタンドからは「福留コール」

[ 2014年8月9日 05:30 ]

<神・広>6回1死、福留は勝ち越しとなる右越えソロホームランを放つ。投手・前田健

セ・リーグ 阪神7-5広島

(8月8日 京セラD)
 阪神の福留孝介外野手(37)が、8日の広島戦で、PL学園の後輩・前田健から決勝アーチを放った。同点の6回1死から右翼席へ4号ソロ。守備では6回にキラの邪飛をスライディングキャッチで好捕して藤浪を援護した。前田健との対戦は、2年ぶり3度目の2連勝。第2の本拠地で天敵を攻略し、長期ロードは2勝2敗のタイに戻した。ここから一気に上昇気流に乗りたい。

 スタンドからは「福留コール」が湧き起こった。虎党は勝利の立役者の名を叫んだ。ただ、お立ち台に福留の姿はなかった。それでも背番号8がヒーローであることは誰もがわかっている。

 「バットを振ったら当たりました。(スタンドに)届くとは…。(スライダーはマエケンが)自信を持っているボール。それをつかまえることができたのは良かった」

 勝利の女神を微笑ませる殊勲の一撃だった。

 同点の6回1死。カウントは2―1。先発の前田健が投じた内角低めのスライダーをフルスイングした。京セラドームに描かれた放物線は阪神ファンが待つ右翼スタンドに架かった。勝ち越しの4号ソロだ。

 エース右腕の決め球をとらえたことに価値がある。PL学園の後輩に対して改めてプロの厳しさを教える一発となった。

 「(球種を)狙って簡単に打てる投手じゃない。(マエケンとは)今年は、今年で割り切ってやっている。ただ、いいところで1本出たことは、チームにとっても僕にとっても良かった」

 昨季は苦杯をなめさせられていた。前田健との対戦成績は7打数無安打。完全に抑え込まれた。この日も3点を返し同点に追いついた3回、なおも2死一塁のチャンスで見逃し三振に倒れた。

 だからこそ、6回の打席は悔しさを晴らしにいった。集中力を高め、一振りに懸けた。それが虎党の思いを叶えた。

 これで今季の対戦成績は4打数3安打で打率は・750。和田監督も勝負を決定付ける一打を称えた。

 「欲しいところで、一発を打ってくれた」

 ここまでの打点数は17だ。そのうち勝利打点は5度目。打率、打点の数字こそ低いが、勝利を決定づける一打を放っていることは事実だ。

 そして守備でも魅せた。6回に先頭打者のキラが放った邪飛をスライディングキャッチ。先発の藤浪に白星をプレゼントする一撃に加えて好守でも援護した。

 もし負けていれば広島と順位が入れ替わっていた。その勝負所で3点ビハインドを逆転した。やはり頼りになる存在だ。

 V奪回を狙う和田阪神には、ここぞの場面で本領を発揮するエイトマンがいる。

 ≪勝利打点は今季5度目≫福留(神)の勝利打点は8月1日のDeNA戦(甲子園)延長10回にサヨナラ適時打で記録して以来今季5度目。リーグ16位タイで、チームではリーグトップの鳥谷10度、ゴメス7度、マートン6度に次ぐ4番目。今季5度の殊勲安打(先制1、勝ち越し2、サヨナラ2)ですべてチームを勝利に導いている。

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2014年8月9日のニュース