中田“魔の1球”延長11回サヨナラ被弾…カード初戦6連敗

[ 2014年8月6日 05:30 ]

<中・広>11回1死、藤井(左)にサヨナラ本塁打を打たれ、ぼう然と打球を見送る中田

セ・リーグ 広島2―3中日

(8月5日 豊橋)
 またしても「頭」を取ることはできなかった。広島は延長戦の末に中日に敗れ、今季2度目、延長戦では初のサヨナラ負け。これでカード初戦は2分けをはさむ6連敗となった。先発・野村祐輔投手(25)が6回2失点と試合を作り、リリーフ陣も踏ん張って接戦に持ち込んだが、攻撃陣に決定打が出ず。野村謙二郎監督(47)は「反省の多い試合」と位置付け、今後の引き締めを誓った。 

 サヨナラ勝ちに歓喜する中日ナインの横を、視線を下げた赤ヘル戦士がベンチへと急ぐ。残酷なまでに対照的な光景。たった1球で勝者と敗者は完全に分かれた。

 「チーム全体として、反省しないといけない試合。負けは負けとして力がないということには、なるんだけど」

 延長戦では今季初めてとなるサヨナラ負け。野村監督は淡々と振り返る口調の中に、複数の教訓を示した。

 勝敗は一瞬で決した。同点で迎えた延長11回1死、5番手・中田が藤井に投じた初球チェンジアップは快音を残し、左中間席で弾んだ。延長戦で投じるにはあまりにも軽い、不用意な1球と見た。

 「積極的に振ってくる打者に、何の気なしに投げたチェンジアップ。もったいない。キャッチャーも含めて、ああいうところをケアしていかないと厳しい。(中田)廉のところは考える。ポジションの配置換えか、ファームでもう一回鍛えるか…」

 前半戦からセットアッパーとして勝利に貢献してきた中田だが、7月以降は安定感に欠く投球が続く。指揮官は中田の配置転換、出場選手登録抹消の可能性を明言。投手陣再編の必要性に迫られることとなった。

 集中力の欠如は誰にも起こり得るが、この試合では重要局面でミスが連発した。9回2死一塁、風に流される飛球を三塁手・田中がフェアゾーンで落球。一走・エルナンデスが全力で走っていれば、即サヨナラ負けのプレーだった。「全体的に投手を苦しめるようなプレーが多かった。ああいうところから、ほころびが出てくる」。6回2失点と試合を作った先発・野村だが、2失点は初回2死走者なしからの四球が発端。小さなミスが大きな結果の差を生む。ミス撲滅なくして上位浮上はあり得ない。

 この日の敗戦でカード初戦は2分けをはさむ6連敗。7月4日ヤクルト戦(マツダ)を最後に1カ月以上「頭」を取れていない。シーズン残りは、ちょうど50試合。負けられない戦いに向け、痛すぎるサヨナラ負けは教訓としなければならない。 

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2014年8月6日のニュース