バース氏 ゴメスよオレを超えろ!V3カ条掲げた

[ 2014年8月5日 09:05 ]

久々の再会を喜び合う掛布DC(左)とバース氏

 阪神伝説のOBであるランディ・バース氏(60)が4日、優勝奪還を目指すナインへ熱烈なエールとして、猛虎の「優勝3カ条」を掲げた。東京ドームで行われた「サントリードリームマッチ2014」に参加したレジェンドは(1)長期ロードは勝率5割以上(2)今後の巨人3連戦は最低でも2勝1敗(3)ゴメスが虎助っ人史上最多134打点超えを奪還の条件だと説明した。

 9年ぶりの奪還を目指す後輩を心底思うからこそ、口調も自然と熱を帯びた。試合前練習に貫禄たっぷりのいでたちで姿を現したバース氏は、残り50試合の戦い方から、優勝への必須条件まで、事細かに説明した。

 (1)長期ロードは最低5割 「今は2位にいるのかな。長いロードが終わってからどうなるか、だけど、調子がいいね」

 きょう5日からの神宮を皮切りに、大阪―東京―横浜―大阪―広島―東京―甲子園、と移動が続く。聖地に戻るまでの21試合で、どれだけ貯金を稼げるかが最大のポイントとなる。ただ、半数以上の12試合をドームで戦えることはプラス。暑さという敵と戦う必要がなくなり、体調面にかなりの好影響を及ぼす。6試合ある京セラドームの地の利も生かし、一気に貯金ロードとする。

 (2)今後の巨人戦は最低2勝1敗 「今1位にいるのが巨人だろ。1つでも多く勝った方がいい」

 ここまで15試合を戦って9勝6敗と優位に立っている宿敵。8月に敵地で2カード、9月に聖地で3連戦があり、この直接対決でどこまで白星を積み重ねられるかが、優勝への最重要課題となると力説する。ましてや昨年は8月27日からの同カードで3連敗を喫してから大失速が始まった。同じ轍(てつ)は踏んでほしくない。

 (3)ゴメスの虎助っ人史上最多の134打点超え 「ゴメスは1年目にしてはかなりいい活躍をしている。自分の記録を塗り替えるのは嬉しい。記録は破られるものだ」

 最後はG砲に“自分超え”の指令を出した。ここまで打率・287、17本塁打、76打点の4番。今季の最終成績をバース氏は「打率・300、35本塁打、100打点」と予想する。ただ、残り50試合で24打点しか加算できないとなるとそれは一大事。ペースだけ見れば最終的には118打点だが、球場が狭い神宮、横浜、東京ドームが続く。さらに打点を積み上げ、85年に自身が記録した球団助っ人史上最多の134打点を超えられれば、虎の栄冠は揺るぎないものとなる。

 バース氏自身、日本一に輝いた85年の長期ロード14試合で55打数22安打の打率・400、6本塁打、15打点の好成績を残した。「僕の場合は日本の野球になれてきたころだったから」と謙そんするも、“ロードの達人”が言う3カ条には説得力がある。インターネットで日々、猛虎の成績をチェックしている大先輩は、歓喜に沸く秋が待ち遠しい様子だった。

 ▽85年の阪神後半戦 広島、巨人と三つどもえの優勝争いになり、首位広島に3ゲーム差の2位で後半戦を迎えた。リーグ戦再開の甲子園9連戦は6勝2敗1分けと好発進。8月4日から長期ロードに突入した。ヤクルト、中日と続いた5連戦を5連勝したが、直後に6連敗。一気に3位まで後退し、ロードは7勝7敗で終えた。8月27日に広島を破って首位に再浮上すると、9月は13勝5敗1分け(勝率.722)の快進撃。バースは9月以降だけで8度も勝利打点を挙げる勝負強さでチームを引っ張った。9月11日にはマジック22が点灯。その後、マジック1で迎えた10月16日のヤクルト戦(神宮)に引き分けて21年ぶりのリーグ優勝を果たした。9月以降の成績を見ると、阪神は2連敗が2度あっただけなのに対し、広島は下位チームのヤクルトに、巨人は同じく下位の大洋に3連戦3連敗があったことも明暗を分けた。

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