オリ 糸井“不敗弾”でソフトに0・5差!打てば11戦全勝

[ 2014年8月2日 05:30 ]

<オ・ロ>3回裏1死二塁、糸井は左越えに2点本塁打を放つ

パ・リーグ オリックス6―2ロッテ

(8月1日 京セラD)
 柳に風だ。オリックス・糸井は来た球に逆らわず、穏やかにあしらうようなスイングをして、左翼席へ放り込んだ。

 「うまく打てたと思う。追い込まれていたので、全部に合わせていた」。2―1の3回1死二塁、フルカウント。藤岡の7球目は高めのスライダーだった。糸井は直球、変化球のどちらが来ても対応できるように、ギリギリまで引きつけた。だから逆方向への一発となり、森脇監督は「一発で仕留められる集中力の高さ。イマジネーションする能力。本当にクレバーな選手」と絶賛した。

 糸井は7月31日に33歳の誕生日を迎えた。「きのう打てたら、よかったですけどね」と苦笑いしたが、1日遅れの祝砲でも「不敗神話」に変わりはない。今季、本塁打を打った試合は11戦全勝となった。6月上旬から4番に定着し、リーグトップの打率・353。確実性が高い上に、得点圏打率も・368と勝負強い。頼りになる4番だ。

 本拠地の京セラドームで行われた今回のロッテ3連戦は「Bs夏の陣2014」と銘打たれ、水都大阪、港町神戸にちなんで水色の特別ユニホームを着用した。糸井も普段のブルーよりも明るい戦闘服を着て跳びはねるようにホームインしたが、体調はかなり悪い。2月のキャンプで痛めた右脇腹だけではなく、腰や両膝も悪く、試合後は体中にアイシングするほど。この日も試合が決定的になった8回から交代した。だが、全体練習の前に室内練習場で必ずバットを振る。その姿に妥協の2文字はない。

 首位・ソフトバンクが敗れ、0・5ゲーム差に肉薄。96年以来18年ぶりのリーグ優勝を果たした場合、この日始球式を行った大阪府の松井一郎知事(50)は御堂筋パレードを約束してくれた。しかし、糸井に浮かれる様子はない。「まだ(シーズンは)2カ月ある。僕らの試合をして頑張ります」。どこまでも自然体。だから打てる。

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