摂津に魔の7回…好投一転、四球から失点「あそこは駄目」

[ 2014年8月2日 05:30 ]

<日・ソ>7回、同点とされ、悔しそうな摂津

パ・リーグ ソフトバンク2―5日本ハム

(8月1日 札幌D)
 アリの一穴。どんな堅固な堤防でも、アリの開けた小さな穴から崩壊することの例えだ。7回途中4失点で4敗目を喫したソフトバンク先発の摂津にとっての「魔の7回」は、無死から中島に与えた四球に集約された。

 「分かりやすいですね。四球絡みの失点。あそこは駄目でしょう」。試合後、バスに乗り込む際、報道陣の方向を振り向いたエースは言った。

 その7回、先頭の中島に対し、カットボールの見逃し、直球をファウルさせ、2球で簡単に追い込んだが、8球粘られての四球。この試合で初めて先頭打者に出塁を許した。

 そのときのエースの心理を秋山監督はこう分析した。「先頭を取れば陽岱鋼に一発を打たれてもな。(四球で)出したから意識した」。無死一塁、陽岱鋼には内角を狙った139キロ直球が死球になった。中田を一邪飛に抑えて1死一、二塁としたが、続く稲葉に適時打を許した。打ち取った思われたが、左前にポトリと落ちる。大引、小谷野にも連続適時打を浴び、この回だけで4失点KO。不運も重り大量失点になった。

 ただ、右肩筋疲労で出場選手登録を抹消された春先に比べれば、安定感は増してきている。6回まで1安打無失点。直球の最速は141キロだったものの、コーナーに投げ分ける制球は抜群で18のアウトのうち11までがフライアウトだった。打者が腰を引き、泳がされた飛球ばかりだ。課題の球数も6回80球だった。今季初の完投勝利も視界に入っただけに悔やまれる7回の急変。11年9月5日から続いていた札幌ドームでの連勝も3で止まった。

 後半戦初めての連敗で2位・オリックスとの差は0・5ゲームに接近した。「あと1点入っていれば違う展開だった」と小川ヘッドコーチ。エースは1つの四球をきっかけに崩れ、打線は今季最多タイの9四死球をもらいながら2得点。まさに対照的な敗戦だった。

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2014年8月2日のニュース