能見 もう自己ワースト10敗 “魔の初回”バレに被弾

[ 2014年8月1日 05:30 ]

<神・ヤ>2回終了、冴えない表情でベンチに戻る能見

セ・リーグ 阪神1-8ヤクルト

(7月31日 甲子園)
 またしても連敗阻止に失敗した。7回3失点で9奪三振。先発としては一定の役割は果たした。だが、阪神・能見にかかる期待からすれば決して評価できる投球内容ではなかった。何より初回に食らった先制パンチがボディーブローのように効いた。

 「そう(失投)やね。失投と言えば失投。(徐々にボールは)低めにいくようにはなってきたけど。無失点で抑えないとなかなか(勝てない)」

 4番への1球が悔やまれた。初回2死一塁。カウント2ボール1ストライクからの4球目だった。高めに浮いたスライダーをバレンティンに強振された打球はバックスクリーンに着弾。2死を奪いながらも高めの失投を捕らえられ先制点を献上した。今季はバレンティンに対して6打数無安打で3奪三振。手玉に取っていただけに屈辱の被弾となった。

 「そこ(能見)が勝たないと。なんとかな…。全然悪いんじゃないけど勝ち星が付かない。こっちもなんとかと思っているんだけどな…」

 白星に見放されたエースの現状に和田監督も歯がゆさをみせた。今季のイニング別失点を見ても、初回が最多12。このデータから見ても、チームに勢いを付けられない投球が容易に想像が付く。2点を追う7回も、2死から痛恨の失点を許した。安打、四球に暴投もあって一、三塁とし、谷内に中前適時打を浴びた。初回以降は奮闘していたが、要所でボールが高めに浮く傾向がみられた。これが敗因に直結する一つの要因でもある。

 5月24日のソフトバンク戦の勝利を最後に白星から遠ざかっている。ついに自身の連敗も「6」となり、12年に並ぶ自己ワーストタイのシーズン10敗目(5勝)を喫した。規定投球回に達している投手の中で負け越している投手はヤクルト石川とわずかに2人。その石川でさえ6勝7敗と黒星先行は一つだけ。それだけに能見自身の負け越しが際立つ。

 長いトンネルから抜け出せない。それでも和田阪神の命運を握る存在であることは変わらない。悩めるエースにとって、この日も寝苦しい夜となった。

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