富士重工 初V王手!天覧決勝に小野連投辞さず「投げたい」

[ 2014年7月29日 05:30 ]

<NTT東日本・富士重工>力投する富士重工・小野

都市対抗野球第11日・準決勝 西濃運輸6―1JX―ENEOS

(7月28日 東京ドーム)
 準決勝2試合が行われ、富士重工(太田市)は14安打9得点と打線が爆発。新人の小野和博投手(23)が7回1/3を3失点と好投し、NTT東日本(東京都)を下して69年以来45年ぶりに決勝に駒を進めた。また、西濃運輸(大垣市)は3回までに6点を奪い、3連覇を狙ったJX―ENEOS(横浜市)に快勝。94年以来20年ぶりの決勝進出を果たした。ともに初優勝を懸けた決勝戦は、29日午後6時から天覧試合として行われる。
【試合結果 組み合わせ】

 要所でギアを上げた。5点リードの6回2死満塁。富士重工の先発・小野は2ボール1ストライクから外角いっぱいのスライダーでカウントを整えた。続く5球目もスライダー。空振り三振で最大のピンチを脱して流れを渡さず両腕で力強くガッツポーズした。

 「いつでもカウントが取れるし勝負球にもなる。大事な場面だし、自信があるスライダーでいきました」

 8回に2ランを浴びて降板。完投を逃して「最後まで投げたかった」と悔しがったが、今大会1試合平均5・7得点だったNTT東日本を相手に7回1/3を4安打3失点(自責2)は胸を張れる内容だ。45年ぶりの決勝に導いた新人右腕を水久保国一監督も「悪いなりに走者を出しながらも抑えてくれた。頼もしい」と称えた。

 91年生まれの小野の名前は「和博」。当時、プロ野球・西武の主砲として活躍していた清原和博にちなんで命名されたという。どんな世界でも大きく育ってほしい――。そんな両親の期待に応えるように、打者ではなく「投げるのが好きだった」と投手として頭角を現した。桐蔭横浜大ではエースとして3年時に明治神宮大会で優勝。社会人でも1年目からエースの座をつかみ、今大会は先発3試合で2勝をマークしてけん引している。

 「ここまで来たら、社会人でも日本一を獲りたい。疲れはないし、決勝でも投げたい」。120球を投げたばかりの小野は連投を見据える。予選では先発翌日の救援は当然のようにこなした。悲願の初優勝へ、水久保監督も「小野は連投の方がいい。神宮大会でもそうだった。準備させます」と救援待機させる方針だ。大学日本一の右腕が社会人でも日本一を呼び込む。

 ◆小野 和博(おの・かずひろ)1991年(平3)4月7日、茨城県生まれの23歳。小4から野球を始め高萩中では軟式野球部に所属。磯原では2年秋からエース。3年夏の茨城大会は2回戦で敗退。桐蔭横浜大では2年春にリーグ戦デビュー。3年秋の明治神宮大会では全4試合に先発し、3完封勝利を挙げてチーム初の日本一に貢献した。今春、富士重工に入社。1メートル80、83キロ。右投げ右打ち。

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