明徳義塾・岸 涙の156球完投!聖地では“安楽の分まで…”

[ 2014年7月29日 05:30 ]

自身4度目の甲子園で優勝を宣言した明徳義塾の岸(左) 

高知大会決勝 明徳義塾6―5高知

(7月28日 高知県営春野)
 最後の打者をこん身の真っすぐで三振に仕留め、歓喜の雄叫びを上げた明徳義塾・岸の両頬に涙がつたった。激闘の末につかんだ5年連続16度目の夏切符。エースで4番、主将の大黒柱は人目もはばからず男泣きし、仲間への感謝を真っ先に口にした。

 「自分一人では勝てない。みんなに感謝。全員で勝った」

 完勝ムードが一転したのは4点リードの4回だった。1死から5連打を浴びるなど計7本の長短打を浴び5点を奪われ逆転を許した。決勝までの3試合で計20イニングを投げ被安打8の1失点だった男が「公式戦では記憶にない」と話す1イニング5失点。点差が開き余裕が生まれたことで「間が取れていなかった」と猛省した。

 直球を痛打された反省を生かし、5回から生命線のカットボールを中心に変化球をコーナーに散らした。156球の熱投。馬淵史郎監督は「カットボールでカウントが取れた。球威も落ちなかった」と切り替えの早さとスタミナを称えた。8回2死一塁では4番の川上雄をフォークで三振に斬るなど被安打13も中軸3人には計2安打しか許さなかった。
 
 仲間の思いも背負う最後の夏だ。再会を誓った済美の安楽は愛媛大会で敗れた。互いに1年時からしのぎを削ってきたライバル。「あいつの分までしっかり頑張りたい」。自身4度目となる甲子園では1年夏の4強が最高。「勢いそのままに優勝したい」。見据えるのは頂点だけだ。

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2014年7月29日のニュース