佐久長聖 4時間超の死闘制した!浜V打で創部50周年に花

[ 2014年7月28日 05:30 ]

佐久長聖を2年ぶり6度目の甲子園に導いた藤原監督

長野大会決勝 佐久長聖10―9長野商

(7月27日 南長野運動公園)
 佐久長聖が4時間超の死闘を制しV奪回!シーソーゲームとなった長野商との決勝を10―9で勝利し、2年ぶり6度目の優勝を飾った。先発・寺沢星耶(3年)が途中降板した2回に5点リードされる展開となったが、救援の両角優(3年)が踏ん張り、反撃開始。7回に4点を奪って同点とすると、9回に浜竜太郎主将(3年)らの連続適時打で2点を勝ち越し、反撃を1点に食い止めた。

 長聖の師弟にサインは無用だった。8―8で迎えた9回1死一塁。打席に入った浜を藤原弘介監督はどっしりと見守った。「情が入ったら駄目だが、もしかしたら集大成の打席になる。懸けてみたい」。犠打の考えは一切なく全てを委ねた。

 浜は1、2回に犯した自らの2失策をバットで取り返そうとここまで2安打1打点。長商・酒井との5打席目は1ボール2ストライクからの5球目を振り抜いた。右中間を破る勝ち越し三塁打。「どんなボールか覚えていない。投手の足元を狙った」。進塁打となる中堅から右方向を意識した打撃が最高の結果となり、2回に手放した主導権を土壇場で奪回した。

 初回裏に雨で50分中断した決戦。中3日で先発した寺沢が2回に3連続四球と制球を乱して降板し、長商に5点差をつけられる厳しい展開となった。このチームは昨夏の経験者が半数を占めながら昨秋、今春とリードを許したまま公立校に敗れた。だが、11年ぶりノーシードで臨んだ夏は驚異の反発力を発揮。救援・両角が「次の1点で負けてしまう」とフォークを武器に気迫の投球で追加点を阻むと4回は暴投で1点を返し、7回は長短4安打などで4点を挙げ振り出しに戻した。

 転機となったのが5月下旬。県1回戦で敗れた後に、午前9時から約5時間にわたって3年生部員全員で力のなさを再確認し意見をぶつけ合った。気持ちが一つになったナインは各自の役割に徹してチームを支えながら進撃。この日はミスもあったが長短18安打に4盗塁を絡める自在の攻めで長商を押し切った。

 母校・PL学園を離れ信州にやってきた指揮官にとって就任と同時に入学してきた3年生には「特別の思いがある」という。40歳の誕生日と重なったこの日はナインを信じたまさに「不惑」の采配で、創部創立50年の節目に花を添えた。戻ってきた夏空に3度舞い、「最高の誕生日。ありがとう」と感謝した。

 さあ、87チームの代表として挑む大舞台が待っている。優勝旗を手にした浜主将は「(劣勢にも)負のオーラはなかった。甲子園で勝つためにやってきた。国体に出たい」と苦しみを乗り越えてきた仲間たちと一日でも長くプレーすることを目標に掲げた。 

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