2軍暮らし続いても…9回、福井コールに「うるっと来た」

[ 2014年7月27日 21:43 ]

<広・神>完投勝利の福井(左)は会沢と握手

セ・リーグ 広島6―1阪神

(7月27日 マツダ)
 広島の福井がルーキー時代の11年10月12日の横浜戦(マツダ)以来1019日ぶりの完投勝利に喜びをかみしめた。

 「自分でもびっくり。(初回、ピンチを招き)もう終わったと思ったが、逆に開き直れた。ゲッツー取れたのが大きかった」。初回、1点を失いなおも1死一、三塁のピンチ。マートンを二ゴロ併殺に打ち取り波に乗った。

 124球を投げ9回を9安打1失点。完投が3年ぶりなら白星も12年8月4日の阪神戦(マツダ)以来、722日ぶりだった。

 今季も5月7日のヤクルト戦(神宮)で初登板初先発したが、5回6失点で敗戦投手となり2軍降格。この日、1軍登録され即先発でようやく結果を出した。

 「悔しい思いしかなかったが、我慢しながら一生懸命やってました。慢心せず、もっと活躍したいのできょうは50点」と今後にこだわる。

 福井は10年に早大からドラフト1位で広島に入団。同期の日本ハム・斎藤佑、西武・大石とともに“早大ドラ1トリオ”と注目を集めた。だが、昨季は3人そろって未勝利に終わった。復活を期し、オフには合同トレーニングも行ったが、福井のこの日の勝利が3人で唯一の白星と苦難が続く。

 このままでは終われない。そんな気持ちを後押しするように9回のマウンドに向かう際にはスタンドから「福井コール」が起こった。

 「うるっときた。うれしかった」

 自らの負けん気に、ファンの声援も力に変え、先発ローテーション入りに名乗りを上げた。

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