ドラマチックHonda タイブレーク2イニング目逆転サヨナラ

[ 2014年7月24日 05:30 ]

<Honda・JR西日本>サヨナラ勝ちに喜ぶHondaナイン

都市対抗野球第6日・2回戦 Honda9―8JR西日本(延長13回タイブレーク)

(7月23日 東京ドーム)
 2回戦3試合が行われ、Honda(狭山市)は今大会初のタイブレークで、初出場のJR西日本(広島市)を下した。延長13回に2点を勝ち越されたが、その裏2死満塁から阿部寿樹内野手(24)が右中間へ走者一掃の逆転サヨナラ打を放った。東京ガス(東京都)は1―0でバイタルネット(新潟市)に勝利。三菱日立パワーシステムズ横浜(横浜市)は延長10回の末、Honda熊本(大津町)を5―4で振り切った。これでベスト16が出そろった。

 3球連続でファウルを打ち、阿部は打席内で珍しく叫んでいた。2点を追う延長13回2死満塁。1ボール2ストライクから7球目のスライダーを捉えた打球は右中間を破った。三塁、二塁走者に続き、一塁走者の小甲(こかぶ)も生還。これがタイブレークの醍醐味(だいごみ)、逆転サヨナラ劇だ。

 「何を打ったのか覚えていない。駄目でも悔いが残らないように思い切り振ろうと思った」

 8回に逆転したが、9回に追いつかれた。延長12回から今大会初のタイブレークに突入。1死満塁から始まるルールで、この回は両チーム1点ずつを取り合い、13回には2点を勝ち越された。絶体絶命の中、2死になって8番に座る「守備の人」に打席は回ってきた。普段は「ミスを恐れながらプレーする、ネガティブ思考の人間」という阿部だが、13回の打席では雄叫びを上げるほど気持ちは高ぶっていた。

 明大では野村(広島)、島内(楽天)と同期。「頑張っている姿を見て、自分も頑張ろうと思う」とプロ入りした仲間から刺激をもらっている。安定した遊撃の守備を買われレギュラーをつかんだが、3年目の今季は課題の打力アップに取り組んだ。全体練習後にベテラン・多幡からアドバイスを受けながら連日打撃練習をこなし、右方向への打球を意識して振り込んできた。大舞台で練習通りの打球を右中間に飛ばし「多幡さんのおかげ」と笑顔を見せた。

 2年ぶり初戦突破。長谷川寿監督は「阿部はポテンシャルは高い選手。この大会を機に飛躍してくれれば。よく打ってくれた」と称えた。09年以来の頂点へ。Hondaがトップギアで勢いに乗った。 

 ▼Honda・西郷(41歳の大ベテラン。5打数無安打で大会新記録の通算15号ならず)自分が打つ打たないではなく、チームが打てれば良い。(次の試合は)しっかり修正してチームに貢献できるようにしたい。

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2014年7月24日のニュース