大谷、7連勝で球宴前9勝 11年ダル以来の快挙

[ 2014年7月17日 05:30 ]

<日・西>4回1死一、二塁のピンチで永江を二ゴロ併殺打に打ち取り、遊撃手・大引(左)とタッチを交わす大谷

パ・リーグ 日本ハム3-1西武

(7月16日 旭川)
 旭川の水は甘くはなかった。3点リードの5回2死二塁。日本ハムの大谷は中村を高めの158キロ直球で空振り三振に仕留めた。しかし、6回のマウンドに20歳の姿はなかった。

 右ふくらはぎがつるアクシデントに見舞われた4月3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)を除けば今季最短に並ぶ5回限りで救援を仰ぎ、試合後は「修正は最後までできなかった」と反省ばかりが口をついた。

 だが、再三走者を背負っても崩れなかった。5回3安打無失点でリーグ2位タイの9勝目。7連勝と球宴前までの9勝は、球団では11年のダルビッシュ(現レンジャーズ)以来の快挙。昨季は球宴前までにわずか2勝だったが、二刀流2年目は野手としても主軸の働きを見せた。屋外では今季7試合目で6勝負けなし。防御率も0・88と、イメージはすっかり「アウトドア派」だ。

 試合前のブルペンから「びっくりするくらい悪かった」と厚沢コーチが言うように調子は良くなかった。それでも、数ある球種の中から良い球を選択して打者を打ち取る大人の投球を披露。成長の証を見せたのは0―0の3回1死一、三塁だ。「スライダーだけが良かった」。中村に対してこの日、最速の159キロを2度計時。最後はスライダーで遊飛に打ち取った。メヒアにも再び159キロをマークすると、同じくスライダーでバットに空を斬らせた。4回のピンチを併殺で切り抜けたため、連続イニング奪三振の記録は「20」でストップしたが、栗山監督は「(調子が)悪い時に抑えきれたことで、先発として前に進み始めた」と珍しく褒めた。

 厚沢投手コーチは5回93球での降板について「前回(9日)の完投の疲れ、中2日で球宴で投げること、など考えた」と説明。19日の第2戦(甲子園)で登板が濃厚な大谷は「少ないイニングだけど、できる限りのパフォーマンスを出していきたい」と力を込めた。文句を付けようがない堂々の成績で前半戦を終え、球宴に臨む右腕が一段とまぶしく見えた。

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