前橋育英・高橋光 打者15人で12K 三振全て直球

[ 2014年7月15日 05:30 ]

<前橋育英・松井田>5回を無安打12奪三振の前橋育英・高橋光

群馬大会2回戦 前橋育英7―0松井田

(7月14日 高崎城南)
 群馬大会では昨夏の甲子園優勝投手、前橋育英・高橋光成(こうな)投手(3年)が松井田戦に先発し、5回を無安打、12奪三振。夏の甲子園連覇に向けて、一歩を踏み出した。

 満足にバットにすら当てさせなかった。高橋光が最速144キロの直球で押しまくる。15人の打者に対し、12奪三振でその全てが直球。全89球中、実に85球が直球で、しかもバットに当てられたのはわずか10球。無安打はもちろん、外野に打球を飛ばさせなかった。

 「直球を磨いてきたので、最後の夏は直球で勝負したいという思いがあった」

 2年生だった昨夏の甲子園は、1回戦・岩国商(山口)で9者連続三振を奪い、一気に主役に躍り出た。その勢いのまま全6試合で687球を投げて防御率0・36。チームを優勝に導いた。しかし、栄光の「代償」も大きかった。秋以降は近所のスーパーでも買い物客に囲まれてサインを求められるなど、常に衆人環視の状況に置かれ、いら立ちを隠せない日々も続いた。さらに今年1月、バント練習中に右手親指を骨折。2カ月近く投球練習ができず、右手の握力も約10キロも下がったという。新チームも昨秋、今春といずれも県大会で初戦敗退。苦境が続いた。

 それでもリハビリ期間中に徹底した筋力トレーニングで下半身と肩甲骨の周辺を鍛え上げた。その成果が球速アップにもつながった。10カ月ぶりの公式戦登板。「緊張もあって力んでしまった」と序盤からボールが何度も高めに浮いた。それでも「左肩が上がりすぎていた。ショートバウンドを投げるイメージで」とすぐさまフォームを修正した。

 20日の3回戦は11年に甲子園に出場し、今大会も優勝候補の高崎健康福祉大高崎と激突。相手の中軸の脇本は利根中学軟式野球部時代のチームメートで「群馬で4強に入ってくるチーム。絶対に抑えたい」と言い切った。ノーシードから夏の甲子園連覇を狙う右腕が、早くも最大のヤマ場を迎える。

 ▼DeNA・高田繁GM 去年に比べればまだ万全じゃないけど、あれだけ投げられればいい。

 ▼ロッテ・永野吉成チーフスカウト 素材の良さは既に実証されている。課題の直球がレベルアップして球威も良くなってきている。

 ◆高橋 光成(たかはし・こうな)1997年(平9)2月3日、群馬県生まれの17歳。小1から利根ジュニアで軟式野球を始め、利根中3年時に市大会4強。前橋育英では1年夏からベンチ入りし、同年秋からエース。昨年に18Uワールドカップ(台湾)で日本代表入り。1メートル88、89キロ。右投げ右打ち。家族は両親と姉、弟。

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