7月4度目!西武サヨナラ 9年目炭谷が初“ヒーロー”

[ 2014年7月14日 05:30 ]

<西・オ>9回2死三塁、右前にサヨナラ打を放った炭谷は跳びあがって喜ぶ

パ・リーグ 西武6-5オリックス

(7月13日 西武D)
 無我夢中で一塁を駆け抜けた。5―5の9回2死三塁。西武・炭谷が2ストライクからの3球目、154キロの直球を右前に運んだ。プロ9年目で初のサヨナラ打。右翼まで走ってUターンすると、一塁付近でナインにもみくちゃにされた。

 「せっかくのチャンス。どんなヒットでもいいと思った。(右翼手に)一塁に投げられて、アウトになるかと思ったので全力で走った」

 田辺監督代行は3試合連続の延長戦を覚悟していた。正捕手としてここまで75試合に出場し、盗塁阻止率・526は12球団トップを誇る。その一方で、打率・193は規定打席到達者では12球団最下位。「あの時は次の回のことを考えていた。(炭谷)銀ちゃんには悪いけど。打った瞬間は見ていなかった」。指揮官にも想定外の一打だった。

 早出特打の成果が出た。開幕前、伊原前監督から「打率が身長(1メートル80)より低いと、ベンチが多くなる」とハッパをかけられた。しかし打率は一向に上がらない。交流戦明けからは、宮地打撃コーチとマンツーマンの練習を開始。本拠地では全体練習の2時間前からバットを振り込んでいる。上半身主導から、軸足に力を乗せる打撃に意識改革。同コーチも「体重移動がうまくいったから、逆方向に押し込むことができた」とうなずいた。

 1月のトークショーではサイン入りバットをプレゼントする際、「打てないバットです」と自虐ネタでファンを笑わせたこともある。その男が球団タイの月間4度目のサヨナラ勝ちで、チームを4位浮上に導いた。「気を緩めず戦っていきたい。雰囲気はいい」。あす15日からは3位日本ハムとの2連戦。Aクラス浮上へムードは最高潮だ。

 ≪2年連続の月4度は球団初≫炭谷(西)が9回プロ入り初となるサヨナラ安打。これで西武は7月に入り、2日日本ハム戦、8日ロッテ戦、11日オリックス戦に続き4度目のサヨナラ勝ち。チームにとって月間4度のサヨナラ勝ちは61年4月(当時西鉄)、97年9月、13年9月に次ぎ4度目の球団タイ。2年連続で記録したのは初めてだ。

続きを表示

この記事のフォト

2014年7月14日のニュース