「ジュニア球宴MVPは大成する」法則は野手だけ!?

[ 2014年7月13日 07:54 ]

92年のジュニアオールスターでMVPを獲得したイチロー(当時の登録名は鈴木一朗)

 7月18日、19日に行われるマツダオールスターゲーム2014に先駆け、今年も7月17日に若手選手たちの祭典「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2014」が長崎県営野球場(ビッグNスタジアム)で開催される。

◎ファーム球宴MVP受賞者で1軍でも結果を残すのは野手? 投手?

 ファームの球宴は1963年に「ジュニアオールスターゲーム」という名称でスタート。その後、何度か名称を変えながら昨年までで50回開催され、計49名がMVPに選ばれている。

 このMVPがらみでよく話題になるのが、「ジュニアオールスターのMVP受賞者は1軍でも大成する」ということ。ヤンキースのイチローが、まだ鈴木一朗だったオリックスの1年目、1992年にMVPを受賞したことや、同じくメジャーリーグ・ロイヤルズで活躍する青木宣親が2004年のヤクルト1年目にMVPを受賞し、その後のブレイクにつなげたことが例にあがる。

 ほかの現役選手では、2001年に里崎智也(ロッテ)、2003年に今江敏晃(ロッテ)、2005年に鶴岡慎也(日本ハム)らがフレッシュオールスターでMVPに選ばれた後、1軍でもベストナインやゴールデングラブ賞の表彰を受けた選手だ。歴代では、ほかにも数多くの選手が、その後1軍でもタイトルを獲得したり、表彰選手になったり活躍している。

 ただ共通しているのは、それらは全て野手であるということ。投手でMVPを受賞し、その後に1軍でタイトルを獲得した選手はいまだ存在しないというジンクスがある。

 そもそも、投手のMVP受賞者が圧倒的に少ない。歴代49名のうち、投手のMVP受賞者は6名のみ(後に野手に転向した選手も含む)。あの江川卓(元巨人)も1979年に出場し、3イニングを無安打4三振という見事な成績をあげたが、このときは勝ち越し本塁打を放った加倉一馬(元西武ほか)がMVPに選ばれ、江川は優秀投手賞どまりだった。

◎ファームでも1軍でもオールスターMVPに選ばれた選手たち

 過去、フレッシュオールスターと1軍のオールスターの両方でMVPを受賞した選手はわずか4名だ。

蓑田浩二……フレッシュオールスター(1976年、阪急)、オールスター(1978年・1984年、阪急)
石井浩郎……フレッシュオールスター(1990年、近鉄)、オールスター(1992年、近鉄)
藤本敦士……フレッシュオールスター(2002年、阪神)、オールスター(2006年、阪神)
青木宣親……フレッシュオールスター(2004年、ヤクルト)、オールスター(2006年・2009年、ヤクルト)

今回のオールスター出場予定選手で、このフレッシュオールスター・オールスターMVPをW受賞する可能性があるのは日本ハムの中田翔のみ。5人目の名誉を勝ち取ることができるだろうか。(『週刊野球太郎』編集部)

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