ロッテ藤岡 涙の白星 早朝、長男出産の夫人「あなたの番よ」

[ 2014年7月13日 05:30 ]

<楽・ロ>「どうしても勝ちたかった」。ヒーローインタビューで父になった感激に涙する藤岡

パ・リーグ ロッテ7-5楽天

(7月12日 コボスタ宮城)
 悔し涙から、うれし涙に変わった。ロッテ・藤岡はヒーローインタビューを受けた時、一気に感情がこみ上げた。

 「きょう子供が生まれました。何としても勝ちたかった」。自身の連敗を3で止め、6月11日阪神戦(QVCマリン)以来、1カ月ぶりの5勝目。その白星は、涙で塩辛い味がした。

 一報が届いたのは明け方。午前5時48分に繭夫人(30)が都内の病院で、3156グラムの第1子となる男の子を出産した。「いつ生まれるか分からず、先発だから寝なくては、と思ってもダメでした」と眠れぬ夜を過ごし迎えたマウンド。睡眠不足を補って余りあったのが家族の力だった。

 「子供も私も頑張ったから。あなたの番よ」。電話で繭夫人から言われ、力が湧いた。メールで届いた長男の写真を見て、覚悟を決めた。序盤から飛ばし2回には4番ジョーンズ、5番ラッツを連続空振り三振。先制直後の3回は自らの暴投で同点とされたが、味方が勝ち越すと勢いに乗り、7回まで毎回の9三振を奪った。完投も見えた8回無死から西田に2ランを浴び降板。「今まで以上に勝ちたい試合だった。8回を投げるか、完投しないといけなかった」と一度は悔し涙をあふれさせた。

 ウイニングボールを手に「後味は悪かったけど勝てて良かった。新しい命ができたので支えないと」とようやく笑えた。「いつかこの日のことを話してあげたい」と目を細める表情は、初めて見せた父の顔。新たな力が藤岡を一つ強くした。

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