エルド雨で幻29号「記録に残らなかったので練習みたいなもの」

[ 2014年7月7日 05:30 ]

<広・ヤ>雨天中止となり引き揚げるエルドレッド(手前)

セ・リーグ 広島-ヤクルト

(7月6日 マツダ)
 “秘密兵器”の投入も実らず…だ。6日の広島―ヤクルト戦(マツダ)は4回表終了後に雨足が強くなり、26分間の中断の末にノーゲームとなった。2点を追う3回、丸佳浩外野手(25)、ブラッド・エルドレッド内野手(33)が掛けた連続アーチも幻に。天気には勝てず、2人は次戦に視線を向けた。

 先発・野村が先に2点を奪われ、降雨コールドが懸念された中で、幻の連続弾は生まれた。丸とエルドレッド。中軸コンビは4日のカード初戦でも、同じ3回に連続アーチを掛けたばかり。3番・丸が先陣を切った。

 2死走者なしの場面。先発の左腕・村中が投じた初球、143キロ真ん中高め直球を振り抜くと、放物線を描いた打球は左翼ポール際へ飛び、ビデオ判定の末、オーバーフェンスと認定された。

 「入ったところは見ていなかった。高めの速球系を強く打とうというイメージ」。ここまで通算399安打。節目の400安打となるはずの12号が霧散すると、丸は「そういう運命。持っていないスよ」と苦笑した。

 大砲の劇弾は直後に飛び出した。「本塁打を打たれた後の投手心理は混乱している」とし、初球を本塁打した2日前のVTRを再現するかのように、この日もまた初球の甘い直球を叩く。ライナー性の打球はグーンと伸びて、バックスクリーンへ吸い込まれた。

 「また連続弾? 丸が打ったのは嬉しいが、ホームランは狙って打てるもんじゃない。直球に合わせて打席に入り、初球に直球が来たので振っていった」。29号が幻に消えると、エルドレッドは「公式記録に残らなかったので、練習みたいなものさ」と笑い飛ばした。

 この日の試合には“秘密兵器”が投入されていた。グラウンドを雨水から守る緊急用の赤いシート。一、二塁間と二、三塁間に敷かれたそれは、球場担当者によると、パラグライダーの生地を使用しており、従来のブルーシートに比べると重さは半分以下。しかも薄くて強い。いきおい、素早く敷くことができるという。増えつつあるゲリラ豪雨に備えようと、5月初旬に約600万円を投じて購入したものだ。

 ただ雨足は弱まる気配を見せず、コールドを懸念する前にノーゲーム。エルドレッドは「残念」と話す一方で、「アプローチは同じ。相手がどこでもいいプレーをするだけさ」。丸は「今はいい所でとられられている」とキッパリだ。好調な中軸コンビは切り替え、8日からの阪神3連戦(甲子園)を見据えていた。

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2014年7月7日のニュース