岩隈 首に違和感も恋女房と「共同作業」で5勝目

[ 2014年6月17日 05:30 ]

<マリナーズ・レンジャーズ>今季5勝目を挙げた岩隈(AP)

ア・リーグ マリナーズ5―1レンジャーズ

(6月15日 シアトル)
 マリナーズの岩隈久志投手(33)が15日(日本時間16日)、レンジャーズ戦に先発し、8回6安打1失点で5勝目を挙げた。登板直前に首に違和感を覚えたが、バッテリーでカバー。今季全9試合で組むマイク・ズィニーノ捕手(23)が6回無死一塁で二盗を阻止した。今季の2人は盗塁阻止率100%、暴投も0と鉄壁。昨季はシーズンで6人の捕手とコンビを組んだが、頼れる恋女房との共同作業でチームの連敗を5で止めた。

 最大のピンチをバッテリーで防いだ。2―1と逆転した直後の6回無死一塁、岩隈は3番・秋信守を迎え、3球目だった。スタートを切った俊足アンドルスに対し、素早いクイック投球。得意のスプリットがワンバウンドしたが、捕手ズィニーノが逆シングルで捕球して送球。二塁で刺したバッテリーは、無言のまま目と目で通じ合った。

 岩隈「自分もクイックして、刺せるように。共同作業だと思っていた」

 ズィニーノ「走るのは分かっていた。クマがタイミングを変えたり、刺すチャンスをくれた」

 今季は5度走られ、盗塁阻止率は100%。シーズンで5度以上走られて阻止率100%は、07年のダイヤモンドバックス・メダーズが最後だ。暴投も0を継続。昨季の岩隈は7度走られ、刺したのは2度だけで阻止率・286、10暴投はリーグ6位の多さだった。

 このピンチを摘んだことで3~7回は二塁すら踏ませず、岩隈は「いいリードもしてくれる。肩も強い。うまくはまっている」と信頼を寄せた。盗塁阻止は「投手8割、捕手2割の作業」と言われる。2日前にはヘルナンデスとズィニーノのバッテリーが、9回1死から同じアンドルスに二盗、三盗を許し、生還されて0―1で敗れたばかり。岩隈とのバッテリーだから阻止できた。

 首の違和感を抱えての登板も「何とか気持ちで抑えよう」とマウンドに向かい、8回1失点で5勝目を挙げた。父の日で観戦したまどか夫人と3人の子供の前で見せた勇姿。「行く前におめでとうと声を掛けてもらい、勝ちたかった」と喜んだ。防御率2・59とし、順当なら次回20日(日本時間21日)ロイヤルズ戦で8回以上を投げれば規定投球回数に達する。田中が2・02でリーグトップ、ダルビッシュも2・11の3位。ハイレベルな日本投手同士の争いは、いよいよ三つ巴となる。

 ◆マイク・ズィニーノ 1991年3月25日、フロリダ州生まれの23歳。フロリダ大から12年ドラフト1巡目(全体3番目)指名でマリナーズ入り。昨年6月に大リーグ初出場を果たした。通算107試合で打率・220、12本塁打、36打点。1メートル88、100キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2014年6月17日のニュース