原野球で悲願Vだ!東海大 喪章付け出陣、2年ぶり8強

[ 2014年6月13日 05:30 ]

<龍谷大・東海大>6回1死満塁、森下の投手強襲適時打に沸く東海大ナイン

全日本大学野球選手権大会第3日 東海大2―0龍谷大

(6月12日 東京D)
 2回戦4試合が行われ、8強が出そろった。東海大は龍谷大を2―0で下し、2年ぶりの準々決勝進出。横井人輝監督(51)と選手らは5月29日に心不全のため死去した東海大野球部名誉総監督の原貢(はら・みつぐ)氏(享年79)をしのんで、喪章をユニホームに縫いつけてプレーした。

 あの人のアドバイスが頭に浮かんだ。0―0の6回1死満塁。フルカウントからの7球目だった。森下が放った強烈な打球は相手投手のグラブをはじき、貴重な先制点を叩き出した。

 「飛んだコースが悪かったので併殺と紙一重だったけど、はじいてくれて良かった。ラッキーでも点が取れた」

 東海大相模出身の2年生。高校時代、グラウンドを訪れた原貢氏から贈られた言葉が忘れられない。「シンプルにボールを強く叩け」。打席では難しく考えず、強く振ればいい――。森下は「今でもそのことを意識している」と、全国の舞台でも原氏の教えを実践した。

 原氏は昨年まではリーグ戦に足を運んで激励してくれた。5月29日に死去すると、その2日後にナインは室内練習場で黙とうをささげた。左袖に喪章をつけて試合に臨んだ横井人輝監督は「勝負に対する厳しさを教わった。まずは一つ勝ったのでいい報告ができる」と静かに口を開いた。

 6回の好機は4番・常道(つねみち)に犠打を命じて均衡を破った。リーグ戦は継投を軸に14戦全勝で優勝したが、指揮官は先発の吉田の球の走りを見て最後まで続投を決断。5安打完封勝利の右腕は「今までで一番いい試合だった」と言った。イズムが浸透するチームには、勝利へのこだわりがあった。

 2年ぶりの8強入り。横井監督は頂点への思いについて問われると「そういうつもりでやっている。(原氏は)ずっと見守ってくれていると思っている」と即答した。東海大学野球部名誉総監督に大学日本一を報告するため、最後まで勝負に徹する。

 ▼龍谷大・山本樹監督(現役時はヤクルトのセットアッパーとして活躍。神宮球場にたどり着けず)「神宮はまだおまえには早い」という神様のお告げ。監督として未熟と受け止めています。次は神宮でやれることを目標にしたい。

続きを表示

この記事のフォト

2014年6月13日のニュース