則本 グリエル2K斬り ダルに並んだ交流戦3度目完封

[ 2014年6月10日 05:30 ]

<D・楽>楽天先発の則本は完封で7勝目を挙げる

交流戦 楽天10―0DeNA

(6月9日 郡山)
 楽天の則本昂大投手(23)が9日、DeNA戦で今季4度目の完封勝利を飾り、7勝目を挙げた。8日に猛打賞デビューした「キューバの至宝」、ユリエスキ・グリエル内野手(30)との注目の対決は4打数無安打2三振で完勝。雨が降る中、最初から飛ばして10三振を奪った。チームの連敗は4でストップ。負ければ最下位となる可能性もあった苦境を新エースが救った。

 狙った。内角高め。145キロの直球は、則本のイメージ通り。グリエルはバットさえ動かせなかった。9回無死一塁、1ボール2ストライクから見逃し三振。「キューバの至宝」から2個目の三振で今季3度目の2桁三振を記録し、両リーグトップとなる4度目の完封劇に花を添えた。

 「作戦通りだった。嶋さんと話してカーブを交ぜて最後は真っすぐ。きのう(8日)やられていたので、何とか抑えたいと思っていた」

 則本の仕事はチームの連敗を止めること。そして、もう一つはグリエルを止めることだった。「高めでファウルを打たせて、低めのスライダー。これが効果的だった」と、佐藤監督代行はグリエル封じの基本パターンを明かした。右飛、中飛と2打席打ち取って迎えた6回1死二塁で迎えた3打席目が典型だ。初球、高めの147キロ直球でファウル。そこから外角低めのスライダーを続けた。見逃し、空振り。対策通りの3球三振。「グリエルはリーチがあるけど、則本の外の変化球がそれを上回った」と嶋も絶賛した。

 しかし、則本はこの三振で危険を察知した。「追い込んでからスライダーを待っている感じが強かった。3打席目の三振は紙一重だった」。だから4打席目は裏をかいた。初球に初めてカーブを投じて空振り。2球目は直球でファウルで追い込んだ。3球目にもう一度、外のワンバウンドのボールのカーブで外角を意識させてから内角高めにズドン。完勝だった。

 昨年6月21日のソフトバンク戦で5回9安打4失点で負け投手になった郡山のマウンド。雨も降る悪条件の中、4回からは走者なしでもセットポジションに替えると、以降は三塁を踏ませなかった。9回は志願のマウンドで5安打完封。交流戦は4試合で3完封、圧巻の防御率0・26となった。「こういう時に止められる選手になりたいので。抑えられてよかった」。則本がチームの連敗を止めたのは今季4度目だ。

 ≪最多タイ≫則本(楽)が5月28日の巨人戦以来今季4度目、交流戦3度目の完封勝利。交流戦のシーズン3完封は11年のダルビッシュ(日=現レンジャーズ)に並ぶ最多タイ記録になった。また、この日は10三振を奪い与四死球は0。楽天で2桁奪三振の無四死球完封は
 投 手  年 月  日  対 振
田中将大 11・10・16 日(11)
則本昂大 14・5・22  D(11)
則本昂大 14・6・9 D(10)
 と2人しかいなく、1人で2度は球団初だ。なお、2桁奪三振の無四死球完封を年間2度は11年の金子(オ)以来。

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2014年6月10日のニュース