ヤクルト 京大・田中獲り!「有機化学」学ぶ148キロ右腕

[ 2014年6月9日 09:05 ]

京大・田中

 ヤクルトが今秋ドラフトで京大・田中英祐投手(4年)の獲得を狙っていることが8日、分かった。新(あたらし)純生球団専務(61)が「(田中は)大学がどことか関係なく、しっかりした力を持っている」とリストアップしていることを明かした。

 田中は最速148キロの直球が武器の本格派右腕。カーブ、スライダー、スプリットなど変化球も多彩で3年秋の関西学生リーグでは最多68回を投げて防御率1.06、0勝ながら京大史上2人目となる投手ベストナインを獲得した。今春は3勝を挙げて23季ぶりの勝ち点奪取にも貢献、阪神なども上位指名リストに挙げている。

 工学部工業化学科に在籍し、主に「有機化学」を学ぶ。スペイン語も勉強中の秀才は「野球をやっていれば誰もが考える」とプロ入りを視野に入れる。ヤクルトは即戦力として高く評価。既に京大側に獲得意思を伝えているとの情報もある。

 チームは小川、館山、由規、村中ら投手陣に故障者が続出。チーム防御率4.86は12球団ワーストで、投壊がリーグ5位に低迷する最大の要因になっている。今ドラフトで即戦力投手の獲得は不可欠。1位指名候補は早大・有原、亜大・山崎らだが、大きな故障経験がなくタフさも売りの田中も魅力的な存在だ。獲得すれば京大初のプロ野球選手の誕生となり、東京六大学リーグ戦も開催される神宮のマウンドが主戦場になる。

 ≪名大・七原も!≫ヤクルトが狙う秀才投手はもう1人いる。新専務は名大・七原(ななはら)優介投手(4年)もリストアップしていることを認めた。七原は最速152キロを誇る速球派右腕。卒業後はトヨタ自動車への入社が有力だが、プロ志望届を提出すれば上位指名は確実だ。旧帝国大学からプロ入りしたのは東大から新治伸治(大洋)、井手峻(中日)、小林至(ロッテ)、遠藤良平(日本ハム)、松家卓弘(横浜→日本ハム)と5人いるだけ。七原もプロ入りすれば名大初のプロとなる。

 ◆田中 英祐(たなか・えいすけ)1992年(平4)4月2日、兵庫県高砂市生まれの22歳。米田西小4年から「塩市少年野球団」で野球を始め、三塁手、外野手、捕手。白陵中で投手に。白陵高では1年秋からエース、2年夏の兵庫大会3回戦進出が最高成績。現役合格した京大では1年春から登板して通算7勝26敗。50メートル走6秒7、遠投110メートル。家族は両親と弟、妹。1メートル80、75キロ。右投げ右打ち。

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2014年6月9日のニュース