上沢 たどり着いた「脱力投法」で変身!1カ月ぶり“脱出”6勝目

[ 2014年6月9日 08:15 ]

<中・日>6勝目を挙げた日本ハム・上沢

交流戦 日本ハム6―0中日

(6月8日 ナゴヤD)
 腕の振りが少しでも緩めば、打者は変化球だと判断しやすい。最も速い直球は腕を強く振るためだ。3点リードの5回2死満塁。日本ハム・上沢は代打・小笠原を迎えた。長打で同点。ピンチで力が入る場面でも「力んじゃいけない」と言い聞かせた。

 腕の振りを意識的に緩め、球を放す瞬間だけ、力を込めて直球を投げ込んだ。「変化球を投げるタイミングで(ゆったりと)直球を投げた。リリースまで力を入れなかった」。追い込んだ5球目。内角低めの144キロで詰まらせ、二ゴロに打ち取った。

 最近3試合は全て5回までにKOされていた。2回1/3を4失点で降板した1日の阪神戦(札幌ドーム)。満塁のピンチで腕を振ることばかりを意識し、自己最速149キロを計測しても打ち返された。「今まではガムシャラに腕を振ってきたが、結果が出ない。僕の長所は何だろう」と自問自答し、たどり着いた結論が「脱力投法」だった。

 「周囲から力が入ってなさそうで、ボールがピュッと来ると言われる。ならば、もっと力感をなくそう」。広島のエース前田健のように脱力を心掛けた。「打たれたらこれも勉強」と開き直り、力を抜いて直球を投げた。この日の最速は145キロ。これに対し、中日の主砲・和田も「球速表示は140キロぐらいでも体感は150キロぐらい」と舌を巻いた。7回をわずか1安打で無失点。完璧な投球で約1カ月ぶりの6勝目を挙げた。自己最多タイの7奪三振に栗山監督も「こんな投球ができれば試合をコントロールできる」と評価。全ては脱力投法のおかげだった。

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