猛虎襲来!63年ぶり初回9点、いきなり先発全員得点

[ 2014年6月9日 05:30 ]

<神・ソ>初回2死一、二塁、ゴメスはこの回9点目となる適時打を左前に放つ

交流戦 阪神14―8ソフトバンク

(6月8日 甲子園)
 歴史的な初回猛攻劇で負の連鎖を断ち切った。阪神は先制を許した直後の初回、3番・鳥谷敬内野手(32)の5号逆転2ランなど8安打を集中し先発全員得点となる打者14人の猛攻で一挙9得点。初回9点は1951年8月10日大洋戦以来、63年ぶり。3安打3打点のキャプテンのバットに導かれた打線は18安打14得点でソフトバンクに打ち勝ち、11カードぶりにカード初戦を制して連敗を2で止めた。

 眠れる猛虎がド派手に目覚めた。溜まっていた鬱憤(うっぷん)を一気に晴らすかのような猛攻。1回のスコアボードには目を疑うような「9」が記された。

 「大和がつくってくれたチャンス。どんな形でも、と思っていた。初回に点を取られて、嫌な雰囲気があった。チャンスだったので積極的に行こうと思った」

 猛打爆発の口火を切ったのは鳥谷だった。初回に1点を先行された直後の攻撃。1死三塁から右翼ポール際へ5号2ランを叩き込み一瞬にして試合を引っ繰り返した。きょうはやれる―。ナインの心を鼓舞する一撃で怒涛の攻勢が幕を開けた。

 続くゴメスが右前打で再度チャンスメークすると、その後は新井が2点打、梅野が3点打、この回2打席目の大和、ゴメスがそれぞれ適時打と、面白いように打線がつながった。8安打を集中して9得点。前日7日の広島戦で初回に7得点したソフトバンクもビックリの猛攻だった。

 勝負どころで存在感を示したのも鳥谷だった。3回に一挙5点を奪われリードは3点に減った直後の攻め。ここで「0」なら、相手に流れを渡してしまう可能性大だったが、2死三塁から技ありの左前適時打。10点目を記した一撃が、勝敗を分けたと言っても過言ではない。和田監督も「全部の安打が勝ちにつながっているが、強いて言うなら3回の鳥谷の1点。あそこで取れるか取れないかで、完全に風向きが向こうに吹いていた。あの1点で、もう一回、取り戻すことができた」と称えた。

 5回には2死から右前打し12点目を演出し猛打賞を記録したキャプテンの活躍で、両軍合わせて30安打の乱打戦を制し11カードぶりにカード初戦をものにした。敗れた4位・中日とのゲーム差を2に広げ、2位・広島との差は1に縮めた。

 試合後、「一つ勝ったくらいでどうこうではないが、引きずりそうな負け方のゲームが多かったので。昨日で2つ落として切り替えざるを得ない状況になった。試合が始まる前までに吹っ切らないといけない状況だった」と、この日の試合に臨む心境を振り返った指揮官。価値ある1勝を手にした。

 ≪最多は12得点≫阪神が初回に一挙9点の猛攻。1イニング9得点は10年10月5日ヤクルト戦の2回以来だが、初回に限ると51年8月10日大洋戦以来、2リーグ制以降では63年ぶり2度目。なお、阪神の初回最多得点記録は、1リーグ時代の36年4月30日名古屋戦で挙げた12得点。

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