懲罰交代のマートンが謝罪 “改心の一打”で虎に勢いを

[ 2014年6月3日 05:30 ]

ファンにサインするマートン

 改心M砲が則本撃つ! 前日1日の日本ハム戦(札幌ドーム)で球審のストライクゾーンの判定に不服な態度を示し、6回の守備から“懲罰交代”させられた阪神のマット・マートン外野手(32)が2日、仙台市内のチーム宿舎で和田豊監督(51)と直接会談を行った。反省の意を示し、その後、コボスタ宮城で行われた全体練習では快音を連発。昨季の日本一軍団、そして新人王右腕を相手に、みそぎの一撃をお見舞いする構えだ。

 熱さの矛先はもう間違えない。札幌でのヒートアップから一夜明け、マートンは空路仙台へ移動。その後、チーム宿舎で和田監督と膝を突き合わせて話し合い、チームのために全力で戦うと約束した。指揮官は「“きのう(1日)はチームに迷惑を掛けてすみません。きょうの練習からベストを尽くす”と本人は反省していた。チームの中では終わったこと」。午後3時過ぎから始まったコボスタ宮城での全体練習に、約1時間遅れて現れたが、軽快な動きに何ら問題はなかった。

 「コーチ、スコアラーの情報を大事にして、自分の打席に立ったらいい球を打つだけだよ。しっかり球を見極めてね」

 視線はすでに次戦へ向いていた。

 初戦の先発はエースの則本。昨季は15勝を挙げ新人王を獲得し、今季は2年連続の開幕投手を務めた。5月22日のDeNA戦(コボスタ宮城)、28日の巨人戦(東京ドーム)と直前の2試合を連続完封勝利するなど今季も6勝3敗と存在感を示している。阪神にとっては、苦手としている「初もの」との対戦となるが、きっちりと攻略する術はインプット済み。指揮官も懸案の「カード初戦勝利」に向け打線の奮起に期待を寄せる。

 「そういう投手を打ったら勢いがつく。パ・リーグのエース級を攻略していかないと。ずっと踏ん張り続けられるわけじゃない。どこかでポンといかないと。そういうきっかけにしたい」

 目下8カード連続で初戦を落としている。交流戦も前半戦最終カード。楽天に連勝すれば、交流戦の星を五分に戻し、後半戦へ勢いをつけることもできる。そこでマートンが“改心の一打”を放ってくれれば、猛虎は一気に波に乗れる。

 「3月11日以来、そういう強い気持ちを持っているよ」

 M砲は昨シーズンから「希望のお米プロジェクト」として、東日本大震災の被災地へ、チーム1勝ごとに50キロのお米を届ける活動を行っている。少しでも復興の役に立ちたい、力になりたい―。その思いを、マートンなりに体現してきた。

 改心した安打製造器が、被災地に勇気を、そして虎に勝利をもたらしてくれる。

 ▽希望のお米プロジェクト マートンは13年から「3・11いわて教会ネットワーク」と協力して東日本大震災の被災地の仮設住宅・みなし仮設等に、チーム1勝につき50キロの米を寄付している。13年シーズン開幕から今季6月2日までチームは通算102勝しており、合計5100キロになる。

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