星野監督 難病手術へ…長期離脱濃厚も「絶対復帰してやる」

[ 2014年5月28日 05:30 ]

長期離脱が濃厚となった楽天・星野監督

 楽天は27日、持病の腰痛を悪化させ、26日のヤクルト戦(神宮)から休養している星野仙一監督(67)が「腰椎の椎間板ヘルニア」と厚生労働省が難病に指定する「胸椎の黄色じん帯骨化症」と診断されたと発表した。星野監督は前日に都内の病院で検査を受けていた。手術を受けることが濃厚。長期離脱は避けられないが、指揮官は現場復帰に強い意欲を示した。なお、佐藤義則投手コーチ(59)が引き続き、監督代行を務める。

 重症だった。持病の腰痛を悪化させた星野監督は「腰椎の椎間板ヘルニア」だけではなく、「胸椎の黄色じん帯骨化症」を発症したことが判明。背骨付近のじん帯が硬くなって神経を圧迫するため、厚生労働省が難病に指定している。立花陽三球団社長は「監督の健康が第一。まずはしっかりと治してから、(現場に)戻ってほしい」と神妙な顔つきで話した。

 星野監督は休養発表から一夜明けたこの日、都内の宿舎で対応。5位に低迷する中での離脱に「申し訳ない」とチームへの謝罪を口にした。症状については「強い鈍痛で腰から足の先までがしびれる」と説明。さらに「飲み薬ではごまかしが利かない」「もう選手にそんな(腰を痛がっている)姿を見せられない」と漏らしており、近日中に手術を決断する可能性が高い。この日、立花社長と今後について話し合ったもよう。同社長も手術について「本人の決断に任せます」と話し、既に球団は手術した場合を想定してスケジュールをつくり直している。また、星野監督は29日に都内で行われ、前年のリーグ優勝監督が出席するオールスターの会見をキャンセルする予定だ。

 手術すれば、最低でも1カ月以上の離脱は避けられない。それでも、星野監督は前日、三木谷浩史オーナー、立花社長から「どれだけ負けが込んでも絶対復帰してください」と言葉を掛けられたことを明かした上で、「去年、あれだけの思い(球団初の日本一)をさせてくれた2人に言われた。俺は絶対に復帰してやる。見とけよ」と現場復帰に強い意欲を示した。

 当面は佐藤投手コーチが監督代行を務めるが、戦略的な補佐をさせるため、球団はこの日、行木茂満スコアラーを戦略コーチに配置転換したと発表した。28日から巨人との2連戦(東京ドーム)が行われる。星野監督にとって永遠の宿敵。その相手を昨季は日本シリーズで破り、指揮官自身、中日、阪神監督時代にかなわなかった日本一を勝ち取った。シリーズを再現する舞台には立てない。無念さは計り知れないが、今は病気を治すことに全力を尽くす。

 ▼横浜市・松宮整形外科松宮是哲院長 胸椎の黄色じん帯骨化症は決して怖い病気ではないが、根本的な完治は難しい。腰部の椎間板も弱くなっていたためヘルニアを併発したのだろう。まずは安静、固定、薬の服用で様子を見ることになる。脊髄により近い神経が圧迫されていると体の倦怠(けんたい)感やしびれが出てくる。まひが断続的に続くようなら手術が必要になる場合もある。入院期間は2週間ほどで内視鏡手術が一般的。動けるようになるまで1カ月ほどかかる。

 ▼楽天・酒井2軍チーフ投手コーチ 病名を聞いて、同じなのでビックリした。だいぶ前から(星野監督から)「痛い」と聞いていたが、相当痛かったんだろう。僕は手術をしないと回復が見込めないと言われた。手術をすれば、1カ月くらいで日常生活は送れると思うので、早く元気になって戻って来てほしい。大黒柱がいないとチームも厳しい。

 ▼楽天・嶋 監督がいつ戻ってくるか分からないけど、戻って来る頃には、いい位置にいられるようにしたい。チームが一つになるいい機会だと思う。

 ▽黄色じん帯骨化症 脊髄の後ろにある椎弓と呼ばれる部分を上下につないでいる黄色じん帯が骨化して脊柱管内の脊髄を圧迫する。下肢の脱力やしびれがみられ、悪化すると両下肢まひをきたすこともある。球界では過去にオリックス・酒井勉(現楽天2軍チーフ投手コーチ)が93年、オリックス・宮本大輔が06年に発症。現役では巨人・越智が12年、ソフトバンク・大隣が13年に発症し、ともに手術後約3カ月で投球を再開したが1軍復帰は果たしていない。

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