Gキラー成瀬 5年越し6連勝「大きく取り上げてもらえる」

[ 2014年5月24日 05:30 ]

<ロ・巨>マーくんと記念撮影する(左から)今江、クルーズ、成瀬、鈴木

交流戦 ロッテ7―1巨人

(5月23日 QVCマリン)
 正真正銘のGキラーだ。ロッテ・成瀬善久投手(28)は23日、巨人戦に先発。7回を5安打1失点で、4月25日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来となる4勝目を挙げた。これで対巨人戦は10年から5年越しの6連勝。交流戦通算19勝のうち、約1/3が巨人からの白星だ。エースの熱投で、チームも初の交流戦開幕3連勝。05、06年と交流戦を連覇したロッテが、本領発揮だ。

 巨人を倒してこそ「超一流」といえる。成瀬が7回1失点と価値ある投球を見せた。

 「最近ふがいなさ過ぎたので、きょうは絶対に勝つんだという気持ちで投げた」

 一発長打があるだけに、初回からコースを丁寧に突いた。ファウルで粘られて序盤から球数はかさんだが、四球は与えなかった。そして「あそこが大きかった」と振り返ったのが5回無死二、三塁。ここで松本哲を127キロのチェンジアップで抑えると、続く内海も打ち取り2死。迎えるは長野。前の打席では先制の適時二塁打を許していた。だが「一塁が空いていたけど逃げたくなかった」と勝負を選択。またも127キロのチェンジアップで遊ゴロに仕留めた。前回登板の16日の日本ハム戦(札幌ドーム)では5回10失点。その雪辱を果たした。

 これで巨人戦は6連勝。「巨人戦に勝てば(メディアに)大きく取り上げてもらえるし、地元の友達も喜んでくれるから」とおどけたが、この日も最速136キロで強力な巨人打線を抑えられたのも、やはりチェンジアップがあるからだ。巨人・阿部が「左打者にもチェンジアップを操ってくる左腕は少ない」と言うように、普段見慣れない軌道に幻惑される。さらに巨人・橋上打撃コーチは「いくつかある対策の中でまずは高いボールに目をつけるというのが優先順位が高い。みんな見極めようとしてくれたけど、なかなか思い通りにしてくれない投手」と振り返った。

 「宝刀」チェンジアップは、今夏限りで退任することが決まっている母校・横浜高の小倉清一郎コーチに叩き込まれた。「辞めることは聞いていました。頑張っている姿を見せて恩返しをしたいです」。当時は小倉コーチの自宅に下宿し、公私にわたって厳しく指導を受けた。「ガミガミ言われましたよ」。だが、その教えがあったからこそ今がある。

 波に乗り切れなかったチームは交流戦に入って3連勝。伊東監督は「成瀬が要所を抑えてくれたし、(交流戦に入って)違うチームみたいだね」と笑みをこぼした。だから、交流戦のロッテは怖い。 

 ≪5位タイ浮上≫成瀬が7回1失点で勝利投手。交流戦は通算19勝目となり、内海(巨)、館山(ヤ)に並ぶ5位タイに浮上した。勝利の内訳を見ると、巨人戦は6勝目で、10年6月2日からは6連勝。交流戦での巨人戦6勝は西口(西)ら4人の各5勝を上回り最も多くなった。また、対巨人6連勝も05~07年小林宏(ロ)の5連勝を抜く最多連勝だ。なお、交流戦の同一カード最多連勝は07~12年に内海が楽天戦でマークした7連勝だが、どこまで伸ばすか。

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