則本 マー君以来の交流戦完封一番乗りで連敗止めた! 

[ 2014年5月23日 05:30 ]

<楽・D>完封勝利を挙げ、笑顔ナインとハイタッチする則本(中央)

交流戦 楽天4―0DeNA

(5月22日 コボスタ宮城)
 雨で順延となった1試合が22日に行われ、楽天が4―0でDeNAに快勝し、連敗を5で止めた。先発の則本昂大投手(23)が自己最多の11三振を奪う力投。今季2度目の完封をプロ初の無四球で飾った。許した安打も2本、4回以降は無安打と完璧な内容で、チームでは09年の田中将大投手(25=現ヤンキース)以来となる交流戦での完封一番乗りを果たした。

 則本は強く腕を振った。9回1死で代打・下園。自己最多となる11個目の三振は137キロのフォークで奪った。続く梶谷も二ゴロに抑え、わずか2安打、二塁すら踏ませず無四球で今季2度目の完封勝利。本拠地のお立ち台で「ずっとチームが連敗していたので、この勝ちは大きいと思う。11三振は気付かなかったです」と笑顔を振りまいた。

 直球は伸び、変化球も切れた。6回2死で梶谷を最速149キロの直球で空振り三振。7回はブランコ、筒香、バルディリスから3連続三振だ。104キロのカーブも投じるなど緩急もつけ、リズム良く109球。負ければ星野政権ワーストタイの借金9となる正念場で、連敗を5で止めた。

 前回15日のオリックス戦(コボスタ宮城)は2回で降雨ノーゲーム。この日までに登板間隔を詰めることなく疲労もたまっていなかったことから、登板間の余った練習時間で過去の映像を見返した。そして新人ながら15勝を挙げた昨季の自身の投球に目を奪われた。「フォームどうこうではなく、失うものがない感じで打者に向かっていた。だから初心に帰ろうと思いました」と振り返る。

 今季は新人だった昨年に続き2年連続で開幕投手も務め、これで5勝。だが4月25日のオリックス戦(京セラドーム)では5回9失点など好不調の波が大きい。昨季24勝無敗だったエースの田中はヤンキースに移籍。無意識に「自分がやらなければ」と考えることで余計な力みが生まれていた。「自分は守るべきものがある投手じゃない。まだまだ2年目。去年の映像を見てそれに気付くことができた」。フォームではない。気持ちの「修正」で剛球が復活した。

 昨季は交流戦を15勝9敗と勝ち越して勢いに乗り、そのまま日本一まで突き進んだ。「これでいい流れになればいいです」と則本。田中はチームが苦しい時こそ力を発揮した。この日の則本は、その姿がダブってみえた。

 ≪無四死球は自身初≫則本(楽)が今季交流戦で12球団初の完封勝利。チームの交流戦完封一番乗りは、09年の田中(現ヤンキース)以来5年ぶり2人目だ。また、無四死球試合は自身初で、11奪三振は昨年8月29日オリックス戦、今季3月28日西武戦の各10を抜く自己最多奪三振と記録ずくめの快投になった。これで、チームの連敗は5でストップ。楽天の2連敗以上は今季5度目だったが、連敗を止めた試合の勝利投手を見ると則本が3度、小山伸、森が各1度ずつとなっており、チームの危機で奮起している。

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